2007年11月27日
ユニクロが環境配慮型ショッピングバッグを導入
二酸化炭素の排出量を約60%削減
ユニクロが環境配慮型 ショッピングバッグを導入
ユニクロはナノハイブリッドカプセル2(NHC2)を添加剤として使用した「環境配慮型ショッピングバッグ」を、本年12月末から全店舗に向けて導入開始いたします。
地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出量を、従来のショッピングバッグと比較して約60%(当社比)削減します。
地球温暖化ガスである二酸化炭素排出量を60%削減
株式会社ユニクロ(本社:山口県山口市 代表取締役会長兼CEO:柳井正)は、お買い上げいただいた商品を入れてお渡しするショッピングバッグを、より環境に配慮した「環境配慮型ショッピングバッグ」へ変更することを決定しました。本年12月末より全店舗に向けて導入を開始します。
このショッピングバッグは、環境調和型溶媒である次世代型添加剤「ナノハイブリッドカプセル2(NHC2)」を3%添加することで、
1)強度向上に伴うポリエチレン使用量を削減 ⇒ 約20%の二酸化炭素排出量を削減し、
2)燃焼時に可熱性物質と酸素の結合を抑制 ⇒ 約40%の二酸化炭素排出量を削減します。
上記(1)と(2)の効果を合わせ、従来型のショッピングバッグと比較して燃焼時に約60%の二酸化炭素排出量を削減します。
ナノハイブリッドカプセル2(NHC2)とは?
超微細技術であるナノテクノロジーと環境融和型溶媒として注目されている超臨界二酸化炭素流体の特性を活用した新技術によって開発されたナノカプセルを樹脂に応用した添加剤で、東京理科大学理工学部阿部正彦教授らが研究・開発した技術を応用し、イーベーシック株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長:青木享保)が製造・販売しています。
※1ナノm = 10億分の1m
<なぜ、強度が向上するのか?>
ナノハイブリッドカプセル2(NHC2)は、結晶の核となって結晶を成長させる“核剤”をナノサイズにして分散させることで結晶化が最大限まで高まり、フィルムの強度が向上します。ナノハイブリッドカプセル2(NHC2)を未添加の場合と比較して結晶化度が10%~20%程度高まることで強度が向上します。強度が向上する分、ショッピングバッグは薄肉化でき、石油系原材料であるポリエチレンの削減が可能となります。
<なぜ、燃焼時の二酸化炭素排出量が削減できるのか?>
ポリエチレンは燃焼時に熱分解されて可燃性の気体となり、周囲の酸素と結合して燃え、二酸化炭素と水に変化します。ナノハイブリッドカプセル(NHC2)が添加されていると、可燃性気体が酸素と結合する前に、酸素吸着剤が酸素を取り込み中和させることで、二酸化炭素の発生を抑制します。
環境配慮型ショッピングバッグの導入効果
「強度向上に伴うポリエチレン使用量の削減」と「二酸化炭素排出量の削減」の2大効果による環境負荷軽減量を、国内ユニクロにおいて試算いたしました(2007年8月期における数値比較)。
<ポリエチレン使用量削減効果>
1年間で882tの石油系原材料であるポリエチレンの削減が可能(約20%の軽量化)
※ちなみに、国内のファーストリテイリンググループ全体では、1年間で3,450tが2,513tとなり、計937t削減の試算をしております。
<二酸化炭素排出量削減効果>
1年間で5,576tの二酸化炭素排出の削減が可能(約60%の削減)
※軽量化に伴う二酸化炭素排出量削減20%+二酸化炭素排出量削減40%=計60%(燃焼時)
※ちなみに、国内のファーストリテイリンググループ全体では、1年間で10,695tが4,674tとなり、計6,021t削減の試算をしております。
ユニクロにおける導入スケジュール
この環境配慮型ショッピングバッグは、本年12月21日より東日本の店舗から順次導入していきます。全店舗への導入完了は、2008年6月の予定となっております。
※なお、国内のファーストリテイリンググループ会社では、2008年6月より、まずジーユーが全店舗に導入します。
今般ユニクロでは、東京理科大学理工学部阿部正彦教授ならびにイーベーシック株式会社のご協力のもと、試作、実験、数値検証、物流スキーム構築、品質管理体制まで詰めあげて、万全の形でこの環境配慮型ショッピングバッグの大量生産・導入に、世界で初めて着手しました。この環境負荷低減に向けた私どもの一つの活動が世界の標準となり、環境負荷低減の一助となればと考えております。
ユニクロは、今後も社会的責任に関する様々な施策に積極的な姿勢で取り組んでまいります。