2017年10月19日
全国の20~59歳男女1,000人への意識調査 ビジネスシーンでのジーンズはアリかナシか!? 「ビジネスシーンでもジーンズを穿いても良いと思う」75.6%
昨今、働き方改革を背景にしたオフィス環境の変化により、ビジネスシーンにおいてスニーカーが推奨されるなど、ジーンズを穿いているシーンも増加してきました。
そこで今回、ユニクロでは10月26日(木)の「デニムの日」*に合わせて、「ビジネスシーンでのジーンズ着用の実態」や「ビジネスシーンでのジーンズの印象」、「心理的効果」など、ジーンズに関する調査を行いました。
<調査概要>
1.調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
2.調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の男女20歳~59歳の有職者(公務員除く)を対象に実施
3.有効回答数:1,000人(20代229名、30代240名、40代274名、50代257名 男性559名、女性441名)
4.調査実施日:2017年10月7日(土)~2017年10月9日(月)
<「ジーンズに関する調査」リリースサマリー>
■ ジーンズでの仕事に憧れながらも、“断念”しているビジネスパーソン
- 「職場にジーンズを穿いていきたい」と約半数が憧れ。
- しかし、実際にビジネスでジーンズを穿いている人は約2割にとどまる。
■ 「ビジネスシーンでもジーンズ」はアリかナシか!? 8割近くが「穿いても良い」と回答!
- 着用を断念する理由は、「なんとなく」「着てはいけない雰囲気がある」など根拠がない理由が大半。
- その反面、ビジネスシーンでのジーンズ姿を8割近くが支持。
- 会社の歴史が長く、就業規則の厳しい業種でも約6割が支持。
■ ジーンズは知的な印象を与える!「クリエイティブ」なイメージ付けにも有効!
- ジーンズ姿だと、より好印象を受けると約6割が回答。
- 「カジュアルさ」「親しみやすさ」など親近感の他、「クリエイティブ」な印象を与える傾向。
■ ジーンズは相手への印象変化の他にも、ビジネスシーンで自身にもメリットをもたらす!
- 穿いている本人にも、「リラックスできる」「自由な発想ができる」など心理面でポジティブな効果も。
■ 1万人の男女へファッションアドバイスした服装心理学の第一人者 スタイリスト 久野梨沙氏分析
- デキる人はビジネスをカジュアルに捉える!職場にイノベーションをもたらすジーンズの可能性も。
■ ジーンズでの仕事に憧れながらも、“断念”しているビジネスパー ソン
ビジネスパーソンは、ジーンズをオフィスに穿いていくことに、どのような意識を抱いているでしょうか。
ビジネスにおける服装の考え方を聞いたところ、「ジーンズを穿いて出社してみたい」と答えた人は47.3%という結果になり、約半数が憧れを持っていることが明らかになりました[グラフ1]。
しかし実際には、就業時に穿いている人は約2割の24.4%にとどまっており[グラフ2]、憧れは持ちながらも、穿いて出社することを断念してしまっている実態が明らかになりました。
■ 「ビジネスシーンでもジーンズ」はアリかナシか!? 8割近くが「穿いても良い」と回答!
職場でジーンズを穿かない人(n=756)に理由を聞いたところ、禁止されていないにもかかわらず、「なんとなく」「着てはいけない雰囲気がある」「取引先の目が気になる」「同僚が穿いていないから」「同僚の目が気になる」など根拠がない理由から多くが諦めていることが分かりました[グラフ3]。
反面、8割近くの75.6%の人が就業時に穿くことに対して寛容的な意識を持っており、また年代にかかわらず、支持されていることが分かりました[グラフ4]。
断念している実態と世間の認識との間にギャップがあることが明らかになりました。
また、就業時に穿いてもいいと思う色については、ブラックデニムが44.3%、インディゴブルーが42.9%、ホワイトデニムが25.4%、サックスブルーは24.1%という結果になりました。ビジネスシーンでは、濃い色の方が支持される傾向があるようです。
では、比較的会社の歴史が長く、就業規則の厳しい傾向にある企業が多い「不動産業」「商社」「保険会社」「証券会社・銀行」における、ジーンズ着用の是非はどうでしょうか。
ここでは、それぞれの企業に働く人(各n=50)を除き、就業時にジーンズを穿くことの是非を聞いたところ、それぞれ約6割が、「穿いてもよいと思う」と回答しました[グラフ5]。
伝統的な企業の多い業界においても、世間の人々は支持する傾向にあることが分かりました。
■ ジーンズは知的な印象を与える!「クリエイティブ」なイメージ付けにも有効!
では、ジーンズを穿いている人に対して、周りの人たちはどのような印象を抱くのでしょうか。
ビジネスシーンでジーンズを穿くことで、印象がどう変わるか聞いたところ、約6割の56.8%が「印象が良くなる」と回答しています。
ビジネスシーンでジーンズを穿くことにより、好印象を与える傾向があることが明らかになりました[グラフ6]。
また、職場で上司がジーンズを穿いていた場合の印象を聞いたところ、半数近くの48.5%が「カジュアルさ」を感じると回答している他、3割近くの26.1%が「親しみやすさ」を感じることが分かりました[グラフ7]。
ジーンズを穿いている上司に対して、親近感を抱く傾向があるようです。
さらに「クリエイティブさ」を感じると回答した方もおり、ジーンズの着用により、「クリエイティブ」なイメージ付けを行うのにも有効である傾向が明らかになりました。
■ ジーンズは相手への印象変化の他にも、ビジネスシーンで自身にもメリットをもたらす!
また、ビジネスシーンにおいてジーンズを穿くメリットについて、穿いた経験のある人(n=354)に
聞いたところ、「リラックスができる」と半数近くの45.8%が回答していることが分かりました。
また、「親近感を持ってもらえそう」「自由な発想ができそう」にも、3割近くの28.0%が回答しており[グラフ8]、ジーンズを穿くことは相手への印象変化の他にも、ビジネスシーンで自身にもメリットをもたらすことが明らかになりました。
■ 1万人の男女へファッションアドバイスした服装心理学の第一人者 スタイリスト 久野梨沙氏分析
<私たちの周りにあふれる、服装に関する「ビリーフ」>
特に論理的理由なく、正しいと信じている思い込みや価値観を心理学用語で「ビリーフ」と呼びます。これは服装に関しても非常に多く見られます。
例えば、ビジネスシーンにはスーツを、授業参観日にはお出かけ着を、女性らしく見られたいならスカートを穿くべき・・・といったようにです。
ジーンズの場合、男性は「ビジネスでは穿けない」、女性は「毎日穿いていると手抜き、女を捨てていると思われる」というビリーフがよく聞かれます。
しかし調査結果では、ビジネスでは約8割近くが、フォーマルなシーンである「授業参観日」も、6割以上が寛容的ということも分かりました[グラフ11]。
つまり、ジーンズに対する非合理的な「ビリーフ」から解放されつつある人が増えていると見ることができるのです。
<「自由」から「クリエイティブ」な記号へと進化するジーンズ>
服装にビリーフが生まれやすいのは、それぞれが持つイメージがあり、それが記号のように広く認知されているからです。
ジーンズは、ゴールドラッシュに湧く鉱夫が穿いていたルーツから「開拓」や「自由」という記号となっており、それがここ数年、スティーブ・ジョブズなどのIT系イノベーターが愛用したことで「クリエイティブ」な記号へと進化してきました。
一方、日本の職場では、しきたりや前例、協調性が重視されてきたため、「自由」という記号を持つジーンズは相応しくないとされてきました。ここから「ビジネスではNG」というビリーフが広がったのでしょう。
しかし現代では、多様性を尊重する世の中に変化し、ビジネスではクリエイティブを求められることも多くなりました。ジーンズに関するかつてのビリーフは、もはや過去のものになりつつあると言えます。
<ビジネスにブレイクスルーをもたらし得るジーンズの可能性>
ジーンズでの勤務が普通のところへスーツで訪問すると浮いてしまうのは、よくあることです。
私がパーソナルスタイリングをしている士業の方の中には、美容師や飲食店経営のお客様の元へ、あえてジーンズで訪問し、親しみやすさを感じさせることで契約数を伸ばしている人もいます。
洋服は色・質感・形で演出できるイメージが変わります。ジーンズは糸が太く、目が粗いざっくりとした生地の質感を持っていることからも、親しみやすさを演出するのに最適です。
イメージだけでなく、質感のもたらす心理的効果としても「親しみやすさ」が確保できるのです。
また、着心地は着る人の心理状態を左右します。元々作業着として開発されたジーンズは、丈夫で穿くことに緊張感がないため、自然とリラックスした状態へ導きます。
これも、自由な発想が求められる現代のビジネスシーンにおいては大切な心理的効果と言えるでしょう。
特に今は、IT化やグローバル化が進んだことで、それまで有効だった考えや方法が通用しなくなっており、多様性によるイノベーションが求められているように思います。
型にはまらないカジュアルなジーンズスタイルを取り入れることこそが、人に、職場に自由度をもたらし、閉塞感のある現状にもブレイクスルーをもたらしてくれるのではないでしょうか。
スタイリスト・服装心理カウンセラー
久野 梨沙(ひさの りさ)氏
装いが人の心に与える影響を研究する「服装心理学®」に基づくスタイリングの第一人者。大学で認知心理学を研究した後、⼤手アパレルメーカーでの商品企画職を経てスタイリストに。2013年には社団法人日本服装心理学協会を立ち上げ、代表理事に就任。現在は、服装心理学を活用して確実なイメージコントロールができる唯一のパーソナルスタイリストとして、これまで1万人の男女へのファッションアドバイスを行い、経営者や文化人など自分をブランド化する必要がある層を中心に支持を得ている。
*「デニムの日」とは、岡山県倉敷市児島の児島ジーンズストリート推進協議会が制定。「国産ジーンズ発祥の地児島」はジーンズをはじめとしたデニム製品が全国的に有名。地元ジーンズメーカーのショップが連なり、個性あふれるジーンズがそろうジーンズストリートからデニムの魅力をより多くの人に知ってもらうのが目的。日付は10と26で「デ(10)ニム(26)」と読む語呂合わせから。