2018年10月25日
ファーストリテイリンググループのジーンズ改革 ジーンズ加工工程の水使用量を最大99%削減する技術を開発 ~2020年までにグループ全ブランドに技術を導入し、環境負荷低減を目指す~
株式会社ファーストリテイリングはこの度、米国カリフォルニア州ロサンゼルスのジーンズ研究・開発施設「JEANS INNOVATION CENTER(ジーンズイノベーションセンター)」で、ジーンズの加工工程の水使用量を最大99%、平均90%以上(※1)削減する技術を開発しました。ユニクロは2018年秋冬シーズンから、メンズレギュラーフィットジーンズに、J Brandでも同シーズンから、サステナブル・カプセル・コレクションに、この技術を導入します。2019年には、両ブランドがこの技術で、当社グループのジーンズ全生産量の約3分の1に相当する約1,000万本のジーンズを生産するほか、2020年までに、グループ傘下の全ブランドで生産・販売するジーンズにこの技術を導入し、生産を拡大していきます。
この先進技術は、ナノバブルやオゾンでジーンズを洗うウォッシュマシーンと、ジーンズデザイナーの熟練技術をかけ合わせることで、品質やデザインを保ちながら、従来の生産方法に比べ、加工工程の水使用量を大幅に削減します。ユニクロは同技術を取り入れることで、メンズレギュラーフィットジーンズの加工工程で使用する水の量を、従来に比べて最大99%、平均90%以上カットすることに成功しました。この技術の導入による水の削減量を、2020年に生産予定の約4,000万本のジーンズで試算すると、従来の生産方法に比べて約37億リットル削減することができ、これは国際基準プールの容積(※2)で換算すると約1,500杯分に相当します。また、加工工程で使用する軽石を半永久的に使える人工石に変えることで、水質汚染を軽減するほか、伝統的な生産方法では手作業で行ってきた「擦り」の工程にレーザー機械を導入することで、工場従業員の負担も軽減します。
ジーンズイノベーションセンター ディレクターの松原正明は、「私たちは、デザイン性や快適さを追求するだけでなく、環境に配慮し、生産工程に関わる人々の人権が守られた環境で生産されたジーンズこそが良い商品であると考えており、そのようなジーンズづくりを追求することが、良い未来につながると信じています。ファーストリテイリンググループの技術力やスケールメリットを活かし、サステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献していきます」とコメントしています。技術の詳細は、来年初頭に発表を予定しています。
(※1)ユニクロの2017年メンズレギュラーフィットジーンズと2018年同型商品を比較した場合
(※2)ユニクロメンズレギュラーフィットジーンズの削減率で試算した場合。
国際基準プールとは、長さ50メートル、10レーン(1レーンの幅は2.5メートル)、水深2メートル、
1杯あたり250万リットルとする。
■ジーンズイノベーションセンター
ジーンズイノベーションセンターは、ファーストリテイリングが2016年11月、米国カリフォルニア州ロサンゼルスに設立したジーンズの研究・開発を行う専門施設です。同センターには、当社グループからジーンズの専門家が集結し、ジーンズの伝統を守りつつ、革新的な技術や素材を活用したジーンズの開発を進めています。
■ユニクロのメンズレギュラーフィットジーンズ
ユニクロの2018年秋冬のメンズレギュラーフィットジーンズは、ヴィンテージジーンズを参考に、世界トップクラスのデニムメーカーであるカイハラ社のコットン100%デニムを使用し、今回の先進技術を用いて生産されています。コットン100%だからこそ映える、昔ながらのデニムらしい加工感が特徴です。ヒップまわりはリラックスしつつ、レッグラインはストレートなシルエットに仕上げているので、どなたでもすっきり穿着こなすことができます。価格は3,990円(税抜)です。
■J Brandのサステナブル・カプセル・コレクション
ロサンゼルス発のプレミアム・デニムを中心とするコンテンポラリーブランドのJ Brandは、2018年秋冬シーズンのサステナブル・カプセル・コレクションに、この先進技術を導入しています。同コレクションは、リサイクルコットンなど環境に配慮した原材料を使用し、再生エネルギーや高効率エネルギーで稼働する工場で縫製されています。ウィメンズ4型、メンズ6型が販売され、価格は228~398米ドルです。