ドン・ウォズ
2021.07.29

ブルーノート・レコードが誇る7枚のジャケットデザイン

ドン・ウォズ

マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、アート・ブレイキーといったジャズのレジェンドたちの作品音源を数多く残し、名盤を生み出し続けてきたブルーノート・レコード。言わずとしれたこのジャズの名レーベルの軌跡を振り返ると、純粋な音楽好きのマインドと、リスクを恐れず革新を選ぶ姿が浮かび上がってくる。現社長であり、音楽プロデューサーでもあるドン・ウォズさんが選んだ傑作と名高いレコードからインスパイアされた特別なコレクションをどうぞ。

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音楽の話をしていると、その音が聴きたくなる。 これらのTシャツを入り口にジャズを好きになってもらえたら。

ブルーノート・レコードは1939年にアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフという二人のドイツ人によってNYで生まれた。今でこそ世界的に知られたレーベルだが、当時はまだ小さな会社で、二人はレコード作りの実務にもかなり関わっていたという。

「レコードを作る際には、レコード盤をスリーブに入れるのでさえ自分たちでやっていたそうだ。少しでも節約するためにね。フランシスはフォトグラファーとしてジャケットのカバー写真も撮っていた。彼らは元々音楽ビジネスをしたいと思っていたビジネスマンだったわけではなく、ブラックアメリカンによる音楽の大ファンで、ただミュージシャンの周りにいたかっただけだった。そういう音楽ファンがミュージシャンとたむろするためにレーベルのオーナーになったという感じだ。好きなことを仕事にして、いい曲を生み出すことを楽しんでいたのだと思うね」

そう語るのは現ブルーノート・レコード社長のドン・ウォズさん。現役のミュージシャンであり、ジョン・メイヤーやザ・ローリング・ストーンズの新しいアルバムプロデュースも行う彼が社長に就任したのは2012年のこと。

「スタジオは最高だよ。ギアやマイク、ケーブルや機材がある空間にいることが大好きなんだ」と、創業者二人のマインドを引き継ぐ存在だ。

「就任後に創業時のマニフェストを見せてもらったことがある。そこには、“契約したアーティストに妥協のない自由を与え、オーセンティックな音楽を追求する”と書いてあった。すごいと思ったね。時間という厳しいテストをパスできる音楽が少ない中で、彼らが生み出してきた曲は、80年以上経っても色褪せずにいる。それができるのは、あらゆる時代のブルーノートのアーティストたちが常に音楽の境界を超えてきたからなんだ。例えばセロニアス・モンク。今でこそ従来的な音に聴こえるかもしれないが、1948年当時はかなりラディカルだった。’50年代にもアート・ブレイキーとホレス・シルヴァーにタッグを組ませて、ハード・バップを生み出した。二人はリスクをとっても、音楽の本質を変えるアーティストたちに賭けたんだ。昨今だと、私がブルーノート・レコードで最初に手がけたジャズピアニストのロバート・グラスパーの『ブラック・レディオ』がいい例だ。若手アーティストが多数参加していて、ヒップホップの要素を他にない形で取り入れている。とてもワイルドな作品だよ」
  
売れるかどうかわからなくても、時代を先取りする音を聴き分け、それをレコードに記録する。そんなブルーノートの斬新な姿勢は、音だけでなくジャケットにも反映されていて、その迫力のある写真のトリミングやリズムを感じさせるレタリングなどがレコードのデザインを一新したと高く評価されている。

「’50年代にはアンディ・ウォーホルが手がけたこともあるが、アルバムカバーを担当していたのは、リード・マイルスというデザイナーだ。今、テレビや広告を見ていると、彼が生み出したグラフィックの要素をそこら中で見ることができる。ブルーノートが音楽にアプローチした方法と同じように、リードはグラフィックデザインに革新的なアプローチしていたのさ」

「ジャズは会話だと思って聴くといい」とドンさんは言う。「友達とディナーをするとき、人生で起こっていることを何でも話すだろ? ミュージシャンはプレイで会話をするのさ。ロバート・グラスパーを聴けば、セロニアス・モンク、J・ディラ、マクドナルドのコマーシャルまでの全部が入っていて、その時代に起こっていることが詩的に表現されている。私も悩んでいた大学時代には『Speak No Evil』のウェイン・ショーターのサックスの音が人生を導いてくれていると感じたものだ。今でも落ち込んだときに聴くと気が晴れる。だから僕らの音楽でたった3分でも気を晴らすことができるなら最高だと思っているよ」

この秋は音と視覚でブルーノート・レコードのアーティストとの会話を楽しんでみてはどうだろう。

ブルーノート・レコード

 ©Mathieu Bitton

グラフィックデザインの歴史を牽引してきた名盤アルバムカバーがTシャツに。ドンさんが選ぶ、特にブルーノート色が強いという’50〜’60年代の7作品をピックアップ。

ブルーノート・レコード

Genius of Modern Music vol.2
Thelonious Monk

1940年代に収録された音源を中心にしたセロニアス・モンクの名盤。「ラディカルで、音楽業界に大きなインパクトを与えて転機になった一枚だ。デザインも天才的で、反逆的な僕にはこの赤は強くて訴えかけてくるものがあるね」

ブルーノート・レコード

Sonny Clark Trio
Sonny Clark

ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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「ビバップの傑作アルバムだ」とドンさんに言わしめるソニー・クラーク・トリオの名盤。アルバムのデザインには当時高価だったカラーを使い、グラデーションの手法が使われている。音とビジュアルが見事に一体化。

ブルーノート・レコード

Jutta Hipp with Zoot Sims
Jutta Hipp

ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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「ユタ・ヒップは女性楽器奏者のパイオニアだった。時代の先をいく存在で、彼女の人生のストーリーも興味深い。このTシャツを着れば、音楽通であることが示せるね!」。このアルバムカバーが商品に使われるのは、今回が初めて。

ブルーノート・レコード

The Prophetic Herbie Nichols Vol. 1
Herbie Nichols

ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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1955年の発売当初はあまり注目されなかったが、早すぎた天才がブルーノートに残した貴重な音源。「知名度はそこまで高くないかもしれないが、とてもいいクオリティのアルバムだからここでTシャツとなったことが嬉しいんだ」

ブルーノート・レコード

Somethin' Else
Cannonball Adderley

少し落ち着いた楽曲が中心で、ジャズのスタンダード曲のひとつ『枯葉』も収録されている。「マイルス・デイヴィスも参加していて今でもよく聴くアルバムだよ。Tシャツも個人的にはこの中で一番着たいデザインだね」

ブルーノート・レコード

Unit Structures
Cecil Taylor

ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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強い色使いとグラフィカルなジャケットデザインで、音楽的にもカルチャー全般に影響を与えたセシル・テイラーの一枚も初マーチャンダイズ。「ブルーノートが音楽の限界を超え続けるレーベルだというのを表現していると思うよ」

ブルーノート・レコード

Free For All
Art Blakey & The Jazz Messengers

ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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ブルーノートレコード UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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「ミュージシャンの社会的な問題に対する関心を表現したとても重要なアルバムだ。彼の顔を見れば、日々のフラストレーションをドラムで表現しているのが見て取れるだろう」。’60年代的なレタリングもTシャツに映える。

PROFILE

ブルーノート・レコード|1939年にNYで生まれたジャズ専門のレコードレーベル。常にジャズの概念を革新し続けてきた歴史を持ち、現在は87歳のウェイン・ショーターからイマニュエル・ウィルキンスのような20代の若手まで、幅広いアーティストが所属。

ドン・ウォズ|1952年、アメリカ・デトロイト生まれ。「ウォズ(ノット・ウォズ)」のベーシスト。音楽プロデューサーとしてもグラミー賞受賞。ブルーノート・レコードとの出合いは14歳のときに母親の車の中で聴いたジョー・ヘンダーソンの『Mode for Joe』。

Unit Structures Cecil Taylor: ©1966 Capitol Records, LLC
Genius Of Modern Music Vol. 2 Thelonious Monk: ©1956 Capitol Records, LLC
Somethin’ Else Cannonball Adderley: ©1958 Capitol Records, LLC
Jutta Hipp With Zoot Sims Jutta Hipp: ©1956 Capitol Records, LLC
Sonny Clark Trio Sonny Clark: ©1958 Capitol Records, LLC
Free For All
Art Blakey & The Jazz Messengers: ©1965 Capitol Records, LLC
The Prophetic Herbie Nichols Vol. 1 Herbie Nichols: ©1956 Capitol Records, LLC

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