tupera tupera
2021.08.19

絵本作家tupera tuperaの魅力

tupera tupera

世界中で愛される人気の絵本がパジャマになって登場。今コレクションでは、独特の色使いやキャラクターデザイン、そしてユニークな発想から生まれるストーリーで知られる人気絵本作家tupera tupera(ツペラ ツペラ)の作品をフィーチャーする。同ユニットの亀山達矢さん、中川敦子さんにものづくりへの思いを聞いた。

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手を使って作り上げる喜び。

tupera tuperaは約20年に及ぶ創作活動の中で、絵本やイラストレーション、工作のワークショップ、テレビや舞台での美術制作やアートディレクションなど、様々な作品を発表し続けている。絵本だけでなく、舞台美術などの立体的なものまで作品の形態は様々。それぞれの作品にtupera tuperaならではの独創的なアイデアや世界観が存分に表現され、子供から大人まで幅広い世代の人々を魅了する。その秘密はどんなところにあるのだろうか。

──これまで絵本を始め、多種多様な作品を生み出されてきましたが、これだけは欠かせないtupera tuperaならではのこだわりはありますか?

亀山さん:どんな仕事に対しても共通していることは、手を動かして作るということでしょうか。とにかく、目の前でものが作られていく感覚が好きだし、楽しいんです。ユニットとして2人で制作を始めたのが雑貨作りだったのですが、実際にミシンを踏んで作っていたように、今もハサミや絵の具を使って、ものを作り出していくことにはこだわっていますね。舞台やセットを作るときでも紙を切り貼りして原画を作るところから始めるんです。

中川さん:自分たちの目で見えるところ、手に届くところで一つのものを作り上げていく、というところは、雑貨も絵本もイラストも、他のお仕事にしても変わらないですね。

亀山さん:お仕事をご一緒する皆さんの本音はデータで納品してほしいと思うかもしれませんが(笑)、パソコンだと二人で作業しづらいというか、僕たちには向いていないというか、本当にアナログなんです。でも原画を見ると皆さん喜んでくれますね。

──手作りにこだわる理由は?

中川さん:私達の作品は、紙を切り貼りしてコラージュで作っていくやり方が基本なのですが、その制作プロセスの中で、私たち独自の表現プラス偶然性の要素が生まれるのが面白いところです。気に入った紙を机の上にぱっと置いてみると、色味や、紙の質感はそれぞれ違うのに、意外といい組み合わせになったり、新しい発見があるんです。リアルに目の前に広がっていくものに対して、私たち2人、あるいはご一緒する人たちのアイデアもさらに重なり合って生み出されるものがあるからだと思います。

亀山さん:例えば工作のワークショップをやると、様々な人のアイデアがプラスされて、また新しいものが出来上がるんです。その過程や出来上がったものを見て、驚いたり、笑ったり、感動してくれると単純に嬉しいですね。異業種の方たちを含め、毎回様々な企業や人たちからご依頼をいただく度に、僕たちなりに一生懸命応えてきたからこそ、どんどん新しい表現方法が広がっていったと思うんです。常にそういった化学反応を繰り返しているんですよね。

独創的なアイデアが生まれるまで。

──作品ごとにオリジナリティあふれるキャラクターデザインやストーリー展開が印象的ですが、アイデアはどんな風に生まれるのでしょうか。

亀山さん:今までやったことのない新しいことがしたい、というモチベーションから生まれています。日常のあらゆるところにアイデアの種って落ちていると思うんです。テレビを見ている時だったり、街の中で目にしたものだったり。その都度キーワードを頭の片隅に置きながら、過ごしています。なかなか出ない時もありますけれど。

中川さん:基本的に亀山さんがアイデア派なんですが、そのアイデアの種をどう展開していくかを2人で話し合ったり、同時発生したそれぞれのアイデアをミックスしていったりしていきます。一つのアイデアからどんどんバリエーションを増やしていって、そこから今度はよりシンプルに研ぎ澄ましていったり。

亀山さん:中川さんは制作しているプロセスが好きなので、作っているうちにどんどんテンションあがっていくんですよね。うまく役割分担できているかもしれません。

──創作する上で心がけていることは?

亀山さん:いい意味で遊びの一環として作っている感覚があるので、軽やかに作りたいと思っていますが、こだわるところはこだわりまくっています。本の紙とか印刷のインクとか、売り場での展開の仕方まで考えて作っています。どうやって人に届くか、というところもまで考えてやりたいんです。

──今回は、数多くの作品の中から『しろくまのパンツ』と『くだものさん』のモチーフがパジャマの柄になりました。それぞれどんなアイデアから生まれたのでしょうか。

亀山さん:『しろくまのパンツ』は表紙のしろくまにパンツをはかせたいという、本の形から発想が広がっていきました。しろくまのパンツは紙製にするか布製にするか悩みました。試作の段階で、編集者さんと相談し、まずは布製のパンツにしたのですが、結構リアルになってしまい(笑)、紙製のパンツに落ち着くという経緯がありました。また、表紙を抱えるとまるでぬいぐるみを抱いているように愛着が湧くといいなと思い、しろくまの姿を表紙に大胆にあしらうなど、そこまではアイデアが決まっていて、本の内容は後から作っていったんですよ。『くだものさん』はとにかくわかりやすい内容をシンプルに伝えることを目指しました。シンプルなものって読み手が気持ちを入れやすいと思うんですよね。誰がどう使うのかというところまで考えて作るのが、僕たちのやり方だと思います。

tupera tupera
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──パジャマに落とし込むということで制作過程で大変だったこと、こだわった点などありますか?

中川さん:『しろくまのパンツ』は絵本でもそうなんですが、背景のベージュの色味が少しでも違うと印象が変わってしまうので、何度もやり取りをしながら決めていきました。絵本の色使いや質感、世界観を大切に再現してくださったことはありがたかったですね。

亀山さん:僕たちの絵って色の表現が難しいとよく言われます。例えば、しろくまの白い部分には実は鉛筆の粉を使って影をつけていたり、しろくまが実は白いパンツを履いていたというところがこの絵本でのポイントなのですが、しろくまの体と白いパンツの微妙な色の差を出したりしています。そんなところを生地で再現していただく上で、色々と苦労をかけたんじゃないかなと思います(笑)。

中川さん:もう一つのポイントは、パジャマの上下ともに柄で構成されていることです。ユニクロのパジャマは上が柄で下のパンツは無地という組み合わせが多いとのことなのですが、今回は担当の方ともお話しして、上下ともに総柄にするのが可愛いからとご提案してくださいました。

tupera tupera
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同コレクションはUNIQLO TOKYO店及びユニクロ オンラインストアにて先行発売中。8月30日から全国のユニクロ店舗にて販売開始する。

──最後になりますが、長きに渡る創作活動の中で、お子さんが生まれたことで、創作にどんな影響がありましたか。作品を通して子供、そして子供を持つ親世代にどんなことを伝えていきたいでしょうか。

中川さん:これはよく聞かれることなんですが、初めの頃は子育てに必死になりながらの創作活動だったので、自分の子に影響されていることにあまり気づいていなかったんです。でもある時余裕ができてきてから振り返ってみると、意識はしていないけど影響を受けたものや、子供とのやり取りの中で拾い上げてアイデアへとつながっていったものはたくさんあります。創作へのスタンスが変わることはありませんが、インスピレーションの元がさらに広がったことは確かです。

亀山さん:面白いんですよね。僕の場合は特に息子を見ていると自分の子供の頃とシンクロする瞬間がよくあります。

中川さん:息子と彼は興味の対象が一緒なんですよね(笑)。怪獣に、おばけ、乗り物など。

亀山さん:僕たちが作っているものって子供を相手にしていると見られがちですが、子供って感度が鋭いし、アイデアも面白い。子供だましという言葉がありますが、もしもそんな気持ちで作っていたら全然通用しないと思います。僕たちはむしろ大人にも絵本や工作の面白さに気づいてほしいんです。ワークショップにたまたま連れて来られたお父さんがものすごいものを作ったらそのお子さんの目が輝き出して本当に嬉しそうな表情を見せたりします。親世代の大人がそうやって純粋に楽しんでいたら、子供はそこから得るものが大きいのではないでしょうか。

ユニクロTOKYO店で読み聞かせ&ワークショップ開催!

「絵本コレクション」のパジャマを先行発売中のユニクロTOKYO店では、tupera tuperaの絵本の読み聞かせとワークショップのイベントが開催された。『しろくまのパンツ』『くだものさん』に加え、『パンダ銭湯』の3冊をスタッフが読み聞かせ。『しろくまのパンツ』では誰のパンツか、そして『くだものさん』では葉っぱに隠れているくだものが何か当てようと答えが行き交い、『パンダ銭湯』はスタッフがパンダの耳やサングラスをかけ、絵本に登場するパンダさながらの変装スタイルで参加した親子を楽しませた。

続いて、お題に沿ってりんごの顔を描き、壁につくられたりんごの木を完成させるというワークショップ。「歯並びがいいりんご」「おじいちゃんりんご」「てれやさんのりんご」など、ユニークなお題が出され、親も子も頭をひねりながらも、お題に合ったりんごの顔をペンや折り紙、シールをつかって、楽しそうに作り出し、表情豊かな実を実らせた立派なりんごの木が完成!まさにtupera tuperaのお二人が目指す大人も子供も楽しめるワークショップとなった。

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イベントでの様子。イベント会場となったユニクロTOKYO店4Fのキッズコーナーにはtupera tuperaによる貴重な描き下ろし原画も展示中。夏らしさをtupera tupera独自の感性で表現した作品が揃う。

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PHOTO: RYUMON KAGIOKA

PROFILE

亀山達矢と中川敦子によるユニット。絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、アートディレクションなど、様々な分野で幅広く活動している。絵本に「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)「パンダ銭湯」(絵本館)「かおノート」(コクヨ)「やさいさん」(学研教育出版)「いろいろバス」(大日本図書)「うんこしりとり」(白泉社)など、著書多数。海外でも様々な国で翻訳出版されている。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。「わくせいキャベジ動物図鑑」(アリス館)で第23回日本絵本賞大賞。2019年に第1回やなせたかし文化賞大賞を受賞。

©tupera tupera/Gakken ©tupera tupera/Bronze Publishing Inc.

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