UTGP2022 × ピーナッツ
2022.05.13

UTグランプリ2022 受賞アーティストインタビュー

UTGP2022 × ピーナッツ

「UT GRAND PRIX (UTグランプリ)」は、Tシャツを一つのキャンバスととらえ、誰もが自由な発想で表現できるコンペティションとして2005年にスタート。17年目となる今年のUTGPは、ピーナッツ・ワールドワイド、チャールズ M.シュルツ・クリエイティブ・アソシエイツ、チャールズ M.シュルツ美術館全面協力のもと、世界のアーティストたちが思い思いのピーナッツを自由に描いた。応募総数は約14,000通。その中から栄えある受賞を果たした4名のアーティストが、4月13日に東京・南町田にあるスヌーピーミュージアムで開催されたUTGP授賞式に参加した。彼らに受賞直後の話を聞いた。

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授賞式にはジーン・フォーサイス・シュルツさん(『PEANUTS』の作者チャールズ・M.シュルツ氏夫人)、ペイジ・ブラドック さん(チャールズ M.シュルツ・クリエイティブ・アソシエイツ チーフ・クリエイティブ・オフィサー)、ジーナ・ハンツィンガー(チャールズ M.シュルツ美術館館長)がオンラインでライブ参加。

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UTGP2022 × ピーナッツ UT グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)

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PROFILE

グランプリ受賞。奥下和彦(おくした・かずひこ)|東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻卒。2009年に制作した「赤い糸」が数々のコンペに入賞、2011年よりテレビ朝日の「報道ステーション」のオープニング映像を担当しグッドデザイン賞を受賞。以後多くのTV CM、MUSIC VIDEO、イラストレーション、絵画の展示販売、ライブペインティングを手掛ける。

新しいフィールドに一歩踏み出す勇気をくれました

シンプルなのに一目見たら忘れられない、線で描かれたスヌーピーが印象的な大賞作品は、審査員のジーン・フォーサイス・シュルツさん(同上)からも、“スヌーピーの象徴的なシルエットを、面白く新鮮な方法で表現している点が優れている。キャラクターを抽象化しながらも、一目でそれとわかるデザインに仕上げている点が評価できる”と大好評だった。
「日頃からデザインでは、最小限のアイディアで最大の効果を狙うことを心がけています。Tシャツをデザインするのは初めてでしたが、今回はボーダーの線のみを用いてスヌーピーを描くことに挑戦しました」(奥下さん)
じつはボーダーを用いたアートは奥下さんの真骨頂でもある。広告などデザイン界で長く第一線を走る奥下さんだが、今回初めてTシャツをデザインし、見事大賞を受賞。長いキャリアの中で新しい挑戦をし、栄えある結果を得た今、何を感じているだろうか?
「今までグラフィックアートを中心に制作してきて、なかなか他のフィールドにチャレンジする機会がありませんでした。今回大賞をいただき、今までやってこなかったこともできるかもしれない、新しい世界にも飛び込んでいけそうだという自信がつき、一歩踏み出す勇気をもらいました。この大賞は、今後の制作活動において大きな心の支えになると思います。若いころからUTばかりを着て育ったので、とてもいい恩返しができました」(奥下さん)

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PROFILE

2位受賞。田中紅緒(たなか・べにお)|日本生まれ日本育ち。日本大学藝術学部卒業。デザイナー。犬が大好き。

美大の先生からの言葉がチャレンジのきっかけです

2位の田中紅緒さんの作品は、キュートかつユーモア溢れる『ピーナッツ』のエッセンスが織り込まれ、夏らしいアートに仕上がった。事実、“このデザインからは、『ピーナッツ』らしい軽快なユーモアが感じられる。それぞれのキャラクターの特徴も上手にとらえており、ファンにはたまらないデザイン”と、審査員のペイジ・ブラドック さん(同上)と、ジーナ・ハンツィンガーさん(同上)からも温かいコメントが寄せられた。
「小さい頃からスヌーピーが大好き。大好きなキャラクターを自身の手で描けることができるなんてこの上ない幸せで、とても有意義な制作でした」(田中さん)。
美大時代、ゼミの先生から「コンペにはとにかくたくさん出すように」と指導を受けていたそうだが、今回見事それが実を結んだ。
「幼い頃、鉛筆を持てるようになってからずっと絵を描いていました。美大に行き、先生からはコンペの大切さを教わりました。街でUTGPのTシャツを見かけた後にUTGPの存在を知ったので、『私も応募したかった!く、悔しい、次こそは』と思っていました。なので今回応募でき、受賞できたことは本当に嬉しいです。私にとって絵は人生そのもの。自分の絵がTシャツになって世に出るのが楽しみですし、これからも大好きな絵を描き続けていきたいです」(田中さん)。

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PROFILE

3位受賞。コウダテッペイ|1986年生まれ、東京都出身。広告を中心にデザイン、ディレクションを手がける。

自分のアートが人々の暮らしの一部になるのは代えがたい喜びです

スヌーピーがおやつを探すという、『ピーナッツ』によく登場するシーンを描いたことが高く評価されたのは、3位のコウダテッペイさんの作品だ。審査員のペイジ・ブラドック さん(同上)の評価コメントには、“色使いも大胆かつエレガントで、アーティストの感性がキャラクターに吹き込まれている”と続いた。コウダさんに、『ピーナッツ』の好きなところについて聞いてみた。
「『ピーナッツ』のキャラクターたちの自由さが好きです。みな等身大の個性を堂々と生きていて、そのひたむきさや媚びのない可愛さに勇気づけられます」(コウダさん)。
じつは17年前にUTGPが始まった当初から応募に参加していたと言う。
「2005年はちょうど大学に入学した時でした。その頃からUTGPに応募していて、今回ついに賞をもらえてとても感慨深いです。誰もが知る『ピーナッツ』と誰もが知るユニクロとのコラボで賞をいただけて、どこに出しても恥ずかしくない経歴をいただけました」(コウダさん)。
コウダさんが描いたチャーリー・ブラウンとスヌーピーは、分かちがたい絆で結ばれた愛情が伝わってくる。ご自身の作品がTシャツになることに対してどう思うか、聞いてみた。
「普段は広告を中心としたクライアントワークを生業としていますが、今回は公募ということで、創作の自由を思う存分感じながら描くことができました。Tシャツになることで感じるのは、自分の分身が世界中を旅するような気持ちでしょうか。どんな国のどんな子が、どんな想いで手に取り着てくださるのか。想像しきれないことですが、とにかくワクワクしています。世界中の子どもたちに着ていただけると思うと、得難い経験ですし、忘れられない思い出になりました」(コウダさん)

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PROFILE

ロジャー・フェデラー賞受賞。イノマタ知明(いのまた・ともあき)|Design Studio siwaza代表。1991年生まれ、埼玉県出身。デザインを軸に幅広い仕事を手掛けている。

2015年にも入賞。今回もどこかの誰かに少しでも長く愛されたら嬉しい

『ピーナッツ』の作者、チャールズ・M・シュルツ氏が大のテニス好きだったこともあり、ピーナッツ・ワールドワイドからのラブコールで急遽、プロテニスプレイヤーのロジャー・フェデラー選手(ユニクロ グローバルブランドアンバサダー)にも審査員になっていただいた。フェデラー選手は、選んだ作品に対して次のようにコメントした。“このデザインは、青空に浮かぶ雲のような爽やかさがあって一番のお気に入り。Tシャツは遠くから見てもストーリーを感じられるものが好きですが、このデザインは世界中の人に伝わるハッピーな雰囲気が感じられる”。
選ばれた作者のイノマタ知明さんに、詳しく聞いた。コンセプトは何だったのだろうか?
「『ピーナッツ』はグローバルな作品なので、世界中の人の共感を得られるような感覚をデザインに落とし込みたいと考えました。空に浮かぶ雲が食べ物に見えたり動物に見えたりした経験が一度はあると思います。スヌーピーに見える雲が空に浮かんでいたらかわいいなと思いました。閉塞感の強い時節柄、たまには上を向こうよというメッセージも込めています。今回スヌーピーをデザインして改めて思ったのですが、ちょっとのアレンジ程度では全くブレないキャラクターの造形も流石だなと感じました」(イノマタさん)。
イノマタさんは今回実は二度目の入賞となる。
「普段はデザインの仕事をしていますが、扱うアート素材が確定した状態から制作に入るので、一から描き起こすことはありません。特にキャラクターを描くことは皆無。そういう意味で、今回とても貴重な機会をいただいたと思い、アートを思いついたらすぐ提出しました。ありがたいことに2015年のUTGPでも入賞し、その際に商品化されたTシャツはいまだに街中で着てくれている人を見かけます。今回のTシャツもどこかの誰かに少しでも長く愛されたら嬉しいです」(イノマタさん)。

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今回のUTGPでは、審査員から受賞者のためだけに、特別な記念品を用意していただいた。右/アート3点は、審査員のペイジ・ブラドック さん(チャールズ M.シュルツ・クリエイティブ・アソシエイツ チーフ・クリエイティブ・オフィサー)の手描きによる描きおろし作品。筆記具は、チャールズ・M.シュルツ氏が愛用していたものと同じペンで描かれた。左/ロジャー・フェデラー賞を受賞したTシャツには、ロジャー・フェデラー選手(ユニクロ グローバルブランドアンバサダー)に直筆サインを書いていただいた。

今年のUTGPの共通テーマは『ピーナッツ』というとてもシンプルなお題だったが、様々なアーティストが自由な発想で描ききった。
『ピーナッツ』の作者シュルツ氏は、作中で心に残る数々の哲学的なメッセージを残したことでも有名だ。
“It‘s hard for people to comprehend that someone can be born a cartoonist but I believe I was.” (「生まれながらの漫画家というのは理解しがたいですが、私はそうだったと信じています。」)
シュルツ氏がそうであるように、今回受賞したアーティストたちの才能も、時代を超え、国境を超え、世界中の方々に愛されることを心から願う。
受賞4作品を含む入賞計11作品が、UTでしか買えないグラフィックTシャツとして、5月下旬から販売される予定だ。

©2022 PEANUTS Worldwide LLC

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