これまで数えきれないほどの魅力的なグラフィックが、UTのアイテムを彩ってきた。20周年を迎えた今年、その一部を復刻するアーカイブプロジェクトが始動する。時代を超えて人々に愛されるそのモチーフたちには、いかなる思いが宿っているのか? クリエイターや関係者の言葉を通して迫る。今回取り上げるのは、2009年のUTに登場したゲーム『ストリートファイター』。『ストリートファイター』シリーズの数々のイラストやロゴを手掛けてきた、カプコン アートワークチームの岡野正衛(おかの・しょうえい)さんに話を聞いた。
優れたコミュニケーションツールとしての「ストリートファイターII」。
Q.今回のTシャツには「ストリートファイターⅡ」における、主人公リュウの必殺技「波動拳」のコマンドがプリントされています。この必殺技が生まれた経緯とは?
A.実は、「波動拳」は前作「ストリートファイター」にも登場しているんです。操作方法を公開してない隠しコマンドでしたし、覚えてもなかなか出せる技でもありませんでしたが、習得さえできれば一発逆転! 起死回生の必殺技でした。「ストリートファイターⅡ」ではその威力を弱めた反面、誰にでも扱いやすい操作になり、他の技と組み合わせて戦術としてゲーム性を深める結果に。このコマンドは他のゲームでも使われることがあるのですが、「波動拳コマンド」という固有名詞が付けられるほど有名になりました。
リュウの必殺技、波動拳。©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
Q.「ストリートファイターII」の持っていたゲームとしての革新性とは何だったのでしょうか?
A.対戦相手との戦術の読み合いが必須で、コミュニケーションツールとして優れている点、そしてプレイヤーだけでなくギャラリーもエキサイトできる点でしょうか。実際、「ストリートファイターII」のブーム時は、熱狂的な対戦会が世界各地で開催されました。それが現在のe-sportsに引き継がれているのだと考えます。
Q.本シリーズが、今もなお年齢・性別・国籍問わず掴み続けている理由とは?
A.勝っても負けても何度でも楽しめる。それが色褪せない魅力だと思います。ここ数年、「ストリートファイターII」で育った世代が社会で活躍され、様々な分野で「ストリートファイターII」やシリーズ作品を取り上げていただける機会が増えました。流行を超越した文化となって現在の若い世代にも受け入れられているように感じます。
「ストリートファイターII」のキービジュアル。©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
Q.シリーズ最新作「ストリートファイター6」が発売予定ですが、進化した点は?
A.「ストリートファイター6」は、シリーズ最強の圧倒的に美しいグラフィックと豊かなモーション、そしてシリーズ初の試みとなるワールドツアーモードなど、多種多様の魅力が詰まっています。歳を重ねて渋さや円熟味が増したリュウやガイルたちと、若々しい新キャラクターたちとの世代を超えた熱い闘いも見どころです。また、往年のタイトルで育った制作陣の作品への熱い想いも込められており、新しさと同時にシリーズの不変的な魅力も感じ取っていただけると思います。
「ストリートファイター6」の公式ロゴ。2023年発売予定。©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
Q.今回、2009年に販売されたTシャツが復刻されたことを受け、率直に感想を教えてください。
A.当時買えなかったので復刻していただいて大変嬉しいです! キャラやロゴで主張し過ぎてないので普段使いできますし、わかる人には「おっ!」と言わせるデザインも好みです。今回は速攻で普段用、観賞用、保存用を購入しました!
復刻Tシャツからひもとく、“本物”の魅力
【20th UT ARCHIVE vol.1 森山大道】
【20th UT ARCHIVE vol.2 天才バカボン】
【20th UT ARCHIVE vol.3 ソニック・ザ・ヘッジホッグ】
【20th UT ARCHIVE vol.4 パックマン】
【20th UT ARCHIVE vol.5 ブラック・ジャック】
【20th UT ARCHIVE vol.6 ストリートファイター】
©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
UT magazine 2022 Summer をユニクロ店舗で無料配布中!
注目コラボレーターへのインタビューや新商品の情報が満載。ぜひ店舗でお手に取ってご覧ください。