グラフィックTシャツの原点ともいえるメッセージTシャツを、アメリカとイギリスのアートシーンで活躍する3人の現代アーティストと制作。タイポグラフィーやグラフィックをTシャツにのせ、今をポジティブに生きる楽しさを分かち合い、愛を語る。「ザ・メッセージ」シリーズでコラボレーションする3人の現代アーティストのひとりが、ロンドンを拠点に活動するラクウェナ。アシッドブライトカラーで彩られたドローイングと、大胆なタイポグラフィが融合した作品は、ひと目で彼女のものだとわかる力強さとラブ&ピースな言葉に溢れる。
ラクウェナのアートは見る者をポジティブにする。
ウガンダ北部のアチョリ語で“首長の使者”を意味するというラクウェナの名。彼女の作品は、ロンドンの『テート・ブリテン』『テート・モダン』をはじめ、ニューヨークやロサンゼルスなどのギャラリーで展示が行われるだけでなく、時折パブリックスペースに登場する、見る者をポジティブにさせてくれる、ミューラル(壁画)で最もよく知られている。
「アーティストとして表現することに目覚めたのは、私にとっては人生経験に対する本能的な反応だったように思います。なかでも、最初の大きい出来事のひとつは、幼い頃にエチオピアからイギリスへ再び戻ったことで受けたカルチャーショックだったと記憶しています。学生時代はグラフィックデザインを学んでいたのですが、視覚的にも概念的にも、常に“言葉”というものに強い関心を持っていました。その言葉を引き立たせるための色や模様の使い方にも興味があったんです。幼い頃から私は賑やかな大家族で育ちましたが、ビデオゲームが好きで、ひとりの時間を持つことをずっと大切にしてきたと思います。自分だけの空間が私にはとても大事だったのです。そうした内向的な性格が、アーティストになった要因のひとつだったのだと思います」
ラクウェナは2児の母であり、自身の担当日であれば子供を学校に送ってから、スタジオに行き、絵を描いて事務仕事もこなす。チームのメンバーやジャーナリスト、あるいは一緒に仕事をしているキュレーターとあちこちで打ち合わせもする。
「近々もうひとりの出産を控えています。ですから母であることと家族生活は、私の人生の中でとても大きな部分を占めているんです。その中でも、人の発言にはずっと関心があり、最近は公の場での発言がいかに人を対立させ、分裂させるものになっているかについてよく考えるようになりました。新しい私の作品ではそういった問題を投げかけられるようにしています。これからも挑戦していきたいことは、純粋に地域のためになるような方法で、コミュニティとの仕事をもっとやっていければいいなと思っています。今までもそのような要素はあったのですが、さらに地域に貢献したいし、それが私にとって、ひとつのプラクティス(日常的な活動)になるように」
「これらのデザインは、住まい(HOME)についてのシリーズの一部であるペインティング作品から起こしました。このシリーズは私の自宅とその周辺で制作したものなのですが、そんなとても個人的なペインティングが、Tシャツとなって今まさに世界中を旅しているかと思うと、本当にすごいことですよね」
PROFILE
ラクウェナ|アーティスト。1986年、ロンドン生まれ。言葉を中心に据えた、カラフルでポップな万華鏡のような柄との組み合わせが制作スタイル。神話を作るアーティストとしての役割に強い興味を持ち、それが現代のポップカルチャーにどのように反映されるかを探求している。
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©LAKWENA
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