名探偵コナン
2023.03.24

描きたくて描きたくて仕方なかったあのシーンもTシャツに。

名探偵コナン

1994年の誕生以来、日本のポップカルチャー界の第一線を走り続けてきた『名探偵コナン』。遂に102巻に達したコミックスはもちろん、TVアニメ版や映画版も絶好調。25の国と地域で翻訳&販売され、全世界累計発行部数が2億7000万冊を突破し、今や世界的に愛される同作が、2023年、コレクションとしてUTに登場する。というわけで、とてつもなく心優しくて、ユーモアセンス溢れる作者の青山剛昌先生に、自身の幼少期から『名探偵コナン』誕生秘話、そして最新映画のことまで、いろいろ語っていただいた!

※文中の情報は2023年2月24日の取材時点のもの。

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ここが青山先生の仕事場。この椅子に座ってコナンたちを描き続けているというわけだ。

幼い頃はどんな子供でしたか?

変な子供でしたね。映画を観ては、「俺ならこうするのに」って頭の中で妄想を膨らませていました。まぁ、今も同じようなものなんですけど。映画を観ていて、「こうなったらいいな」って想像した通りのオチだと嬉しくて、それを上回るともっと嬉しくて……。

下回った場合は?

「こうなったらいいのに」ってアイデアを、『名探偵コナン』(以下、『コナン』)に使います(笑)。

素晴らしい活用法ですね(笑)。当時はどんな漫画を読まれていましたか?

いろいろ読んでいましたが、漫画家になる上で決定的に影響を受けたのは、あだち充先生とちばてつや先生とモンキー・パンチ先生。僕の絵を見ればわかります。くりくりした目はあだち先生、ちょんとした鼻はちば先生、ふみゅっとした口はモンキー・パンチ先生の影響ですから。それを合わせると俺の絵になるんです。島本和彦先生(『アオイホノオ』などの作者)にそれを言ったら、「ならねぇよ!」って否定されてしまいましたけど(笑)。

そんな秘密があったとは! 先生は小学校の卒業文集に「私立探偵専門の漫画家になりたい」と書かれていたそうですね。漫画以外に、探偵ミステリーもお好きだったんですか?

もう大好きでしたね。アーサー・コナン・ドイル、江戸川乱歩、モーリス・ルブラン。おそらく学校の図書館で出会ったんでしょうね。その3人の本は、どこの図書館でもありますので。最初に驚いたのは、コナン・ドイルが書いた『シャーロック・ホームズ』シリーズの『踊る人形』。作中に登場する、人形が並んだような気持ち悪い暗号に対して、「これなんだろう?」ってすごく惹かれて。そこからですね、ミステリーにハマっていったのは。

じゃあ、幼少期の夢を『コナン』で叶えられたわけですね。

いや、漫画家になった頃は、卒業文集にそんなことを書いたなんてすっかり忘れていました(笑)。『コナン』は「探偵ものをやりませんか」と編集者の方に言われて始めたんですよ。「えー、めんどくさいなぁ」と思いながら描いていくうちに、「あ、そういえば俺は『シャーロック・ホームズ』が好きだったな」と思い出したっていう。

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高校生探偵の工藤新一は、謎めいた黒ずくめの組織に毒薬を飲まされ、頭脳は大人のまま体だけ子供になってしまう。自分の無事が組織にバレれば、周囲の人間に危険が及ぶと判断した彼は、江戸川コナンと名前を偽り、小学生として暮らしつつ、さまざまな難事件を解決していく。苗字は江戸川乱歩、名前はコナン・ドイルから取られている。

『コナン』の連載を始めるにあたり、「こんな作品にしてやろう!」みたいな意気込みはありましたか?

言っちゃなんですけど、すぐに終わると思っていたのでまったく意気込みはなかったです(笑)。

そうだったんですか⁉︎ 『コナン』は、青山先生の知名度を高めた『YAIBA』の次作なので、「ここが正念場」みたいな気持ちがあったのかと思っていました。

いやいや。どうせすぐ終わって、『YAIBA2』をやるんだろうなと思っていたので(笑)。何のプレッシャーもなく気軽に始められました。

にもかかわらず、30年近くも続けてこられた理由は何だったと思いますか?

「もう無理」って思ったことは何度もありますよ。特に最初の頃は。だけど、そのたびにいい転機が訪れてくれたんです。「めんどくさくて嫌だな」って思っていたらTVドラマ『古畑任三郎』が始まって、「こういう感じで俺もやってみたい!」と創作意欲を刺激されたり、「もうやることない。やることはやったよ」ってときにアニメ化や映画化が決まったり。運がいいんです。

毎回トリックを考えるだけでも大変そうですよね。

そりゃもう大変ですよ。時にはトリックになりそうなものがないかと、市販のマジックグッズを買うこともあります。まぁ、それは使えないことが多いんですが(笑)。

マジックグッズまで! 『コナン』は子供だけでなく大人でも楽しめる作品だと思うのですが、先生としては少年に向けて描いているという意識が強いのですか?

いや、少年に向けては描いていないんです。少年に向けてしまうと、子供騙しだと思われてしまいますから。たまに簡単なトリックもありますけど、ほぼ大人向けです。子供って難しいことがあっても調べるじゃないですか。僕もさっきお話しした『踊る人形』を読んだときに、英語はわからないけど、辞書を調べましたもん。それで「Nで終わる単語が多いんだ」と知ったり。子供は調べるし、頭もいいから、難しく描いても大丈夫なんです。そして、大人に関しては、そんな子供時代を思い出して読んでいただけるといいかなって。

「すぐ終わっちゃう」と思って始めながら、30年近く描き続けられた『コナン』ですが、終わる時期は決めているんですか?

決めていないですね。あるファンの方に「サグラダ・ファミリアみたいだ」って言われましたけど、あっちはもう完成しちゃうんですよね?(笑)

とは言え、サグラダ・ファミリアは完成に100年以上かかっていますから。そのファンの方も100年以上続けて欲しいということかもしれませんね。ファンと言えば、今回のUTでは、『コナン』100巻発売記念の際のファンによる人気投票で、1位を獲得したエピソード「黒ずくめの組織との再会」の1コマがプリントされています。

これは力を入れました……もちろん毎回力を入れていますけど、特に入れた回だったんです。コナンたちと黒ずくめの組織が最初にがっつり対決する話でしたので。中でもこのシーンは特に好きですから、その思いが伝わったんですかね。映画にも出て来るし……なんならオレがそのシーンの原画描いているし(笑)

黒ずくめの組織に追われる灰原に、コナンが自身の眼鏡をかけてあげるというシーンですね。

僕、スーパーマンが好きなんですよ。いつも眼鏡をかけて正体を隠しているじゃないですか。コナンも一緒なんですよ、眼鏡をかける理由は。このシーンでコナンは灰原に「それをかけていれば絶対に正体がバレないんだぜ。クラーク・ケントもびっくりの優れもの」って言うんですね。もうずっと描きたくて描きたくて仕方ないシーンだったので、このときは嬉しかったなぁ。「やっと描けた!」って。

今回UTのためにこのシーンをあらためて描き下ろしていただきましたが、いかがでしたか?

昔とだいぶ絵柄が変わりましたよね。昔はもう少しコロコロしていましたよね。頭が大きくて。

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青山先生に描き下ろしていただいたスペシャルバージョンのTシャツの上に、さらに直筆のコナンの絵を描いてもらった! 「コナンは目から描きますが、特に描き順はないんですよー」と先生。

他に気になるTシャツはありましたか?

怪盗キッドのやつ! あれはおしゃれですね。

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ところで、先生は黒い服を着ている印象が強いんですが、ファッションのこだわりはありますか?

黒かグレーしか着ないってことだけですね。クローゼットの中もほぼ黒です。何でも合うじゃないですか。インナーに赤いTシャツを着ても絶対に合う。あと、自分を隠したいというか、あんまり見せたくないんです(笑)。

黒ずくめの組織の1人みたいな感じですね(笑)。最新映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』が4月に公開されますが、言える範囲で見どころを教えていただけますか?

がっつりコンテに手を入れさせてもらったシーンが一か所あるんですよ。監督がコンテの段階で挿入してくださったシーンなのですが、「だったら、こうしたほうがいいかな」って。そしたらすぐお返事が来て、すごくいい感じにまとめ直していただきました。とある人物たちの水中シーンなんですけど、それが見どころです。「おーっ」ってなると思います。

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『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』
東京・八丈島近海に建設された、世界中の警察が持つ防犯カメラの情報をつなぐための海洋施設「パシフィック・ブイ」を舞台に、コナンたち少年探偵団と黒ずくめの組織の対決を描く劇場版第26弾。4月14日より公開。

ちなみに、映画版は最新作を含めるとこれまで26作も作られています。先生の一番のお気に入りをあげるとしたら、どれになりますか?

「次の作品」と言っておきましょう。喜劇王のチャップリンは「あなたの最高傑作は?」と聞かれて「次の作品」と答えたそうですが、それの真似です(笑)。

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PROFILE

青山剛昌|あおやま・ごうしょう|鳥取県生まれ。1986年、小学館新人コミック大賞に入選してデビュー。1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)で始まった『名探偵コナン』は現在102巻まで刊行され、全世界発行部数2億7000万冊を突破、現在も連載中。1993年に『YAIBA』で、2001年に『名探偵コナン』で小学館漫画賞受賞。

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「エピソード総選挙」開催時、1位に選ばれたエピソード「黒ずくめの組織との再会」の1コマ。UTのために青山先生に描き下ろしいただいた特別バージョン。

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高校の文化祭で姫を演じる毛利蘭を、騎士役にすり替わっていた幼馴染・新一が突然抱き寄せた、名シーンをバックに。原作絵を使用したエクスクルーシブな1枚。

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コナンと新一のシルエットを重ね、コナンのトレードマークである蝶ネクタイの赤をポイントに。決めセリフ“真実はいつもひとつ”の英訳“There is always only one truth!”も。

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黒ずくめの組織で、新一が飲まされた薬を開発した灰原哀。とある事情から自分も薬を飲み、子供の体になった今は、新一と協力関係に。胸ポケットにはそんな科学者の彼女らしいイメージが。

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FBI捜査官で狙撃の名手、赤井秀一。黒ずくめの組織のベルモットが、コナンと赤井の二人を指して呼ぶ“シルバーブレット”の英訳“SILVER BULLET”をプリント。

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黒ずくめの組織の一員である、バーボン/BOURBON。いくつも顔を持つ彼の一筋縄ではいかない魅力を、BOURBONのロゴと、自らをバーボンと名乗ったシーンのセリフを添えて表現。

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コナンのライバル、怪盗キッド。彼のトレードカラーである白のボディに、シルクハットやモノクル、予告状、トランプなどキャラクターを象徴するアイテムをちりばめたデザイン。

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©青山剛昌/小学館 
©Gosho Aoyama/Shogakukan 
©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996 
©Gosho Aoyama/1996,2023 Shogakukan, YTV, TMS 
©2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会 
© 2023 GA/DCC

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