MoMAがアートとして注目するデジタルデザイン。

ニューヨーク近代美術館（MoMA）には、インタラクションデザインの観点における優れた事例としてビデオゲームが展示されている。今回のコレクションでは、MoMAの収蔵作品から、多くの人々に愛され、革新的なデジタルデザインを特徴とした不朽のゲーム作品を選定。各ゲームの世界観にMoMAを表す要素が溶け込んだ、遊び心あるデザインを着て楽しんでほしい。

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私たち現代人は、生活の大部分をデジタルの世界で過ごしているといえる。スマートフォンやタブレットは一日中手放せないアイテムであり、さまざまなアプリ、プログラムを使いこなしながら情報を得たり、人とコミュニケーションを取ったり、娯楽を堪能したりしている。これらのデジタルツールを私たちの生活を便利にするものだけとして捉えるのではなく、その優れたデザインにも注目したのが、MoMAである。

MoMAは、2012年に14のビデオゲームを始めとした優れたインタラクティブデザインを、パーマネントコレクションとして収集してきたことを端に発し、これら革新的かつ歴史的・文化的に重要なインタラクティブデザインを構築してきた作品の数々を展示したエキシビション、”NEVER ALONE　Video Games and Other Interactive Design”を2022年9月から（2023年6月16日まで）開催する運びとなった。エキシビションでは、実際にキーボードやタッチスクリーンを通して、どのようにインタラクティブデザインにアプローチするのかを体験できたり、デザイナー視点やユーザー／プレイヤー視点によるインタラクティブデザインの魅力を紐解く構成となっている。

MoMAとの長期にわたるパートナーシップを結ぶユニクロは、このエキシビションのスポンサーとなるとともに、またMoMAとともに新たなUTコレクションを作り上げた。

パックマン

黄色く丸いパックマンが、カラフルなゴーストを避けながら、迷路内のドットをすべて食べていくという、アーケードゲームを代表する名作の一つ。ブラックのボディカラーに浮かび上がる柄は、まるでゲーム上の画面のよう。

スペースインベーダー

1978年発表以降、またたく間に人気を獲得し、文字通り世間を“侵略”したシューティングゲーム。その人気は日本にとどまることなく、世界中のゲーム市場へと広がっていった。イカ、タコ、カニ、UFOといった敵キャラを撃ち落とす爽快感をTシャツのバックプリントで表現している。

テトリス

年齢、ジェンダー、国籍問わずあらゆる人々を魅了するシンプルなルールとデザインで、ユニバーサルなビデオゲームの一つとして認知されるパズルゲーム。バックプリントには、パズルのピースでMoMAの文字を象り、遊び心を表現したデザイン。

SimCity 2000

都市建造シミュレーションゲームの金字塔として知られるSimCity 2000。プレイヤーは市長となって街の繁栄を実現すべくインフラの整備と同時に、社会的問題も解決していく複雑な構造が特徴。さらにシティランドスケープを美しいデザインで表現することで多くのプレイヤーを魅了し続けている。

塊魂

宇宙の王によって地球に送られた王子が、あらゆるものをボールのように転がしながら大きな塊にし、それを夜空に浮かべるという、独創的な世界観を持つ塊魂。デザインにおいても様々な賞を受賞している本作の、色彩豊かで柔らかなタッチでMoMAを描いている。

PROFILE

ニューヨーク近代美術館（MoMA）｜1929年に3人の女性によって設立され、コンテンポラリーアートを扱う初めての美術館として絵画や映像、デザイン、パフォーマンスアートまで幅広い作品を展示。大胆で時に実験的なヴィジョンは、示唆に富み、共鳴を呼ぶ作品の展示によって今日まで引き継がれている。MoMAは、現代美術の持つ力と複雑さを反映したダイナミックな展覧会やオンラインプログラムを企画し、国際的な研究センターとして認知される図書館やアーカイブを維持し、または革新的な研究と出版物を支援することなどによって、その使命を実現している。