ルーヴル美術館 by M/M (Paris)
2023.05.19

クラシックでコンテンポラリーな、パリのタイポグラフィTシャツ。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

「ルーヴル美術館」のクラシックアートと、「M/M (Paris)」のコンテンポラリーアートが出合ったら? あの「モナ・リザ」もルーヴル・ピラミッドも、館内に収蔵されている多くの作品も、「M/M(Paris)」により写真に収められ、コラージュされ、タイポグラフィやグラフィックとなり、Tシャツになった。毎日3万人が訪れるという世界最大級のパリの美術館と、パリを拠点に活動する気鋭のアーティストユニットが作り上げた、いつもとはちょっと違ったルーヴルコレクションをどうぞ。

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ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

「まだ小学生の頃でしたが、私にとって『ルーヴル美術館』は、美術館とは何かを理解するきっかけとなった場所でした。ローマ、ギリシャ、エジプト、イタリア、フランスなどといった多くの土地や時代をめぐる旅が、同じ場所にいてできる。芸術や歴史の大部分がこのひとつの場所に保管されていることに気づかされたのです。これこそが美術館だと。高校生のときは、歴史と地理の先生が、街を理解するためにパリのいろいろな場所に連れていってくれました。それはナビゲーションの方法を教えるためだったのですが、『ルーヴル美術館』に子供たちを連れていくという企画もありました。地図を持って中を歩き回るというね。地図には出発点があり、ゴールがありますが、見学中は自由にできます。それぞれルートが違うので、あちこち行って地図がどうなっているのかを理解する必要があるんです。だから、子供たちにとって、美術館の中で自由になることはとても刺激的だし、同時に迷子になれることはクリエイティブでとてもよいことでもあるんです。現在でも子供を自由にさせることが可能かどうかはわかりませんが、少なくとも当時はそうでしたね」とは、「M/M (Paris)」のひとり、ミカエル・アムザラグさん(写真左)。

「そう、『ルーヴル美術館』で迷子になろうってことが僕らからのメッセージかな。例え、『ルーヴル美術館』に行く機会がなくても、私たちが作ったものが、多くのことを語ってくれるはず。このTシャツを着て、都会でも、森でも、どんな体験でもいいから、ミカエルが言うとおり、迷子になればいいわけです。Tシャツにルーヴルのすべてが描かれているわけではありませんが、(美術館が所有する)コレクションの核心へと導きます。単に商品を作るのではなく、ルーヴルをTシャツの上に存在させる方法を考えること。つまり、美術館をシンプルに表現したTシャツを作るのではなく、このTシャツのコレクションが『ルーヴル美術館』のコレクションの一部を表現できるということを目指してデザインしました」と教えてくれたのは、もうひとりの「M/M (Paris)」、マティアス・オグスティニアックさん(写真右)だ。

「今回、私たちはグラフィックデザイナーとして、自分たちのこだわりをとおして『ルーヴル美術館』を見直すことから始めました。我々のこだわりのひとつはタイポグラフィです。ルーヴルのコレクションをあらためて見ると、文字が非常に多く存在することに気づいたので、文字が入った作品をまずは分類化するために、500枚ほど写真に収めていきました。私たちは美術館を何度も訪れる機会がありましたが、2日、3日、4日かけて歩き回り、すべての部屋のコレクションを網羅するよう努めました。試みたのは、もし私たちが『ルーヴル美術館』に20回行ったとしたら、何を見ただろうか?ということでした。収めた写真をタイポグラフィやグラフィックとするために、誰でも理解しやすく、視覚的にも壮大なものにしようと、コラージュという手法を使い、私たちのルールを当てはめていきました。例えば、ピラミッドの下にある『LOUVRE』というタイポグラフィは、私たちがデザインした書体で、コラボレーションをするときに使っています。私たちにとってのヘルベチカ(一般的なローマ字書体)みたいなもので、とても特殊な形をしていますが、私たちの普遍的なタイポグラフィなのです」

「そして、出来上がったTシャツは、コレクションを巡るちょっとした“旅”となるようにしました。コラージュした作品にはそれぞれTシャツのどこかしらに作品のクレジットが記載されていて、Tシャツを買った人がTシャツの中にある作品を確認しようと思ったら、どこに行かなければならないかを調べられるようになっているのです。それはゲームのような、宝探しのようなものですね」

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

「それから、『ルーヴル美術館』との関係性をより出すために、美術館を巡るキャラクターを象徴的に導入しました。それは、『エージェント』と呼ばれる私たち特有のキャラクターです。この『エージェント』には『モナ・リザ』が映っているのですが、これは『エージェント』が美術館にいることを表しています。鏡の表面にモナリザが映っているようなものなので、『モナ・リザ』の本来の姿と比べると反転していることがよく見るとわかると思います。宝探しのように、Tシャツに映り込んだ美術館の歴史を見つけることができるような手がかりをたくさん忍ばせてみました。このように複雑な構造であっても、Tシャツ自体は最終的に、『ルーヴル美術館』が見せてくれるような素晴らしく、華やかなものでなければならないと思い、これらのグラフィックを完成させたのです」

迷子になるほどの『ルーヴル美術館』のコレクションが、マティアスさんとミカエルさんの手によって新たなアートワークとなった。よく知る『ルーヴル美術館』とは一味違った作品と出合い、楽しんでもらえると嬉しい。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)
ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

ルーヴルから見た「M/M (Paris)」とは?

「M/M (Paris)」をとおして見い出された、巨大な「ルーヴル美術館」のコレクションの再発見。ルーヴルから見た彼らのこと、共同作業で生み出されたTシャツに隠された、その意図とは?

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

「『M/M (Paris)』はアートの世界だけでなく、ファッション、音楽、デザイン、演劇、文学の世界でも活躍していて、コンテンポラリーカルチャーが好きで、それらを交差させるクリエイティブな存在です。彼らはマドンナからビョークまで、偉大なポップスターと仕事をし、数々のアルバムジャケットを残しています。そして、ファッションの世界でも多くのブランドと組み、イメージを作り上げてきたという功績もあります。このプロジェクトは、クリエイティブなコラボレーションであると同時に、ルーヴルのコレクションをできるだけ多くの人に、まったく異なるさまざまな方法で見せるという試みでもあるのです。

『ルーヴル美術館』は、ひとたび中に入ると、その巨大さゆえに、“何を見るかわからない”という発見があります。もしかしたら、『モナ・リザ』を見たいのかもしれないし、ヴェロネーゼ作の『カナの婚礼』を見に来たのかもしれません。『M/M (Paris)』とのコラボレーションは、この発見する能力、感じる能力、実行する能力をTシャツをとおして伝えてくれるのです。彼らの作品は直接的でありながら、とても謎めいた存在ですよね。実は、ルーヴルの名前の語源や由来というのはよくわかっていないのです。いろいろな解釈があって、かつてのパリではセーヌ川の向こう側には森があり、狼(LOUPSの音がもとになっているのかも?)がいたのかもしれません。とはいえ、名前の由来は不明で、今日まで変わりません。ルーヴルとは、すべての言語で通用する名前になっていて、しかし同時に非常に強いミステリーの要素も持っています。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

そして、彼らのタイポグラフィが語っていることも、まさにそれです。明白でありながら、神秘的でもあるのです。文字の存在方法と同じように、このタイポグラフィもまた、コラージュによって再構成され、分解されているのです。彼らは美術館の中を歩き回りながら、ルーヴルのコレクションの中にある文章(ライティング)にひらめきを見いだしました。ルーヴルにあるさまざまな文明や時代の文章を撮影したのですが、その作品を探し出す手伝いを我々チーム全員がしました。つまり、本当の共同作業だったということです。そして、このTシャツを着るということは、ルーヴルの存在、すべての文明の一部を少しずつ持ち運ぶということであり、ルーヴルの歴史に参加することになるのです。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

かのポール・セザンヌの言葉の一節に、“ルーヴル美術館は私たちが読書を学ぶための偉大な書物である”とあります。『ルーヴル美術館』の読みやすさは、さまざまな読書の形によって提起されるものです。私たちの使命は、読書の形を創造することですが、これらのTシャツは多くのクリエイションの“大使”とも言えるのです」

ルーヴル美術館 by M/M (Paris)

「ルーヴル美術館」とのパートナーシップ。
2021年から4年間、「ルーヴル美術館」とのパートナーシップを結び、「Mini Discovery Tour」を休館日以外、日々実施中。内容は、9つのテーマの館内ツアー、アートワークショップや紙芝居、6つの展示セクションで1日6回のガイドツアー、エデュケーションキットの配布、6つのエリアでのペインティングデモンストレーションが行われている。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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収蔵作品同様に、美術館の建築や空間が重要との認識から、このTシャツのグラフィックが出来上がった。「モナ・リザ」のヴィジョンと、美術館を見るプリズムのようなヴィジョンのルーヴル・ピラミッドの三角形を結びつけ、「M/M (Paris)」オリジナルのタイポグラフィでLOUVREの文字を表現。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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「M/M (Paris)」のキャラクター「エージェント」が左胸に入ったデザイン。「エージェント」のボディには、鏡のように反転して映った「モナ・リザ」が入る。バックには、同じく「エージェント」とデザインコンセプトである文字が入ったルーヴルのコレクションからLOUVREの「L」のコラージュを。左下には作品クレジット入り。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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「M/M (Paris)」のふたりが、所蔵品から見つけたという文字入りの作品を撮影し、「M/M (Paris)」のオリジナルタイポグラフィにコラージュしたアートワーク。LOUVREの文字を描く1つ1つの文字は、2つのパーツで構成。バックの腰あたりに入るのが、それぞれの文字を成す作品クレジットだ。左袖には「エージェント」も。

ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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ルーヴル美術館 by M/M (Paris) UT グラフィックTシャツ(半袖・オーバーサイズフィット)

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「E」の文字をコラージュしたアートワークが左胸に、使われたコレクションのクレジットが右裾に入る。バックには、何もないと思いきや、右裾に小さくちょこんと「エージェント」がプリント。

PROFILE

​​M/M (Paris)|フランス・プロヴァンス出身のマティアス・オグスティニアックと、パリ出身のミカエル・アムザラグによって1992年に結成された、パリを拠点に活動するクリエイティブユニット。30年以上にわたりファッションや音楽の分野を中心に、主にタイポグラフィを用いたデザイン&アート作品で世界中の人々を魅了。2023年、過去30年間にデザインしたタイポグラフィをまとめた作品集を出版。

PROFILE

ドナティエン・グラウ|学者、ライター、「ルーヴル美術館」役員。以前は「J. Paul Getty Museum」でゲストキュレイター、ファションデザイナーのAzzedine Alaïaのアドバイザー、そして「オルセー美術館」でコンテンポラリー・プログラム長として活躍。2014年にはApollo 誌に よる40 Under 40 Europe (欧州で活躍している40歳以下のプロ40人)に選抜。

PROFILE

ルーヴル美術館|12世紀にパリの街を守るための城塞として生まれ、歴代のフランスの王のもと王宮として増改築を繰り返し、フランス革命中の1793年に国立美術館として開館。世界最大級のコレクションが広大な館内に展示され、年間の入場者数は1千万人を超える、世界で最も人気のある美術館として知られることになる。1989年からはガラスのルーヴル・ピラミッドをメインエントランスに、古代から19世紀初頭までの絵画、彫刻、工芸品や古代オリエント、古代エジプト、古代ギリシャなど、歴史的文明に関する美術品など幅広い分野の作品が展示。現在、美術館に作られた音楽室では、音楽家のためのレジデンスを展開。また、「Regards du Louvre」というデジタルプログラムも展開し、あらゆる分野から20人の若いアーティストを招き、衣服を制作。

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©M/M (Paris)

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