映画史に残る『スター・ウォーズ』ポスターアートの魅力。

世界中の人々を魅了し続ける映画『スター・ウォーズ』のシネマポスターに着目した「Star Wars: Remastered by 河村康輔」。アートワークとしての完成度の高いそれぞれのポスターアートに関する著書を発表してきたルーカス・フィルムのピート・ヴィルマー氏に聞く、同作品、そしてポスターの魅力とは？

商品一覧はこちら

『スター・ウォーズ』との出合いは？

一番古い思い出は、1977年の学校の校庭でのことです。当時8歳だった私は、友達と『スター・ウォーズ』について話し始め、その夏に発売されたばかりの『スター・ウォーズ』のトップスのカードセットを交換したりしたものです。記憶が定かではありませんが、『スター・ウォーズ』の映画を初めて見たのはその年の7月の第1週だったと思います。独立記念日のために映画館の近くで花火が売られていたのを覚えているからです。他の子どもたちと同じように、私の心は打ちのめされました。でも、まだその時は、この映画が私の人生を劇的に変えることになるとは、少しも知りませんでした。

どのようにしてファンになったのですか？

周りのほとんどの子どもと同様に、初期からファンになったわけですが、やがて10代になり、大学生になってからも『スター・ウォーズ』は私の心を捉えて離しませんでした。「遠い昔、はるか彼方の銀河で･･･」という設定はとても魅力的です。壮大な銀河の舞台で繰り広げられる古典的なおとぎ話は、大胆な想像力の表現を好む人にはたまらないものです。

世界中の人々を惹きつける『スター・ウォーズ』の魅力とは？

現代の神話だからだと思います。時代を超えて語り継がれてきた神話には理由があります。優れた神話は、人間の葛藤や普遍的な真理を語り、想像力を刺激するのです。『スター・ウォーズ』はその3つを備えており、世界中でこれほどの人気が続いているのはその証拠だと思います。

『スター・ウォーズ』のポスターでお好きなものはどれですか？

実は個人的に好きなポスターが、まさに今回のUTのコレクションに使われている３つなのです！トーマス・シャントレルによる『スター・ウォーズ／新たなる希望』のアートワークは、ダイナミックでアクションに満ちた構図で見る者の心をつかみ、レーザーの爆発や爆風がフレームから飛び出してくるようです。トム・ユングによる同作の静かで壮大、そしてエレガントなポスター・アートワークよりも、この映画のエネルギッシュなアクションをうまく表現していることは間違いありません。

ラルフ・マッカリーによるヨーダの肖像画は、1983年にラジオドラマ化された『スター・ウォーズ／帝国の逆襲』のために描かれたものですが、この肖像画を好きにならずにはいられませんでした。物思いにふけるヨーダは、生命力溢れる色使いと雰囲気のある風景に囲まれ、その温かさと精神的な共鳴に想像力を掻き立てられます。また、3色で構成された帝国のロゴがシームレスに溶け込んでいるのも楽しい作品です。

最後に、生賴範義（おおらい　のりよし）による『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のポスター・アートワークは、私が最も好きな劇場用ポスターの一つです。アメリカの観客向けに公式には使用されず、スペイン語版で印刷されたのですが、全米ではほとんど見られなかったものです。このポスターに使用されたアートワークの魅力は、美しい構図と色使いです。生賴氏はバランスの取れたデザインの達人であり、紫と緑という色合いを選ぶアイデアは、多くの『スター・ウォーズ』のポスターで見られる伝統的な赤と青から逸脱した、驚きとひらめきのあるものでした。UTに使用されているのは、偶然にもオーストラリアで発行されたポスターで、世界公開されたポスターの中で私が一番好きですね。

UTとのコラボレーションについてどう思いますか？

ポスター愛好家、コレクターとして、『スター・ウォーズ』のクラシックポスターがウェアラブルな形になったことは非常に嬉しいです。ポスターはもともと映画館で映画を宣伝するために使われたものですが、今では映画愛をファッショナブルに伝えるための役割を果たしていると言えます。

今回のコラボレーションの中ではどのTシャツのデザインが特にお好きですか？

その質問に答えるのは非常に難しいですね！もちろんポスターとしてお気に入りの生賴氏による『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』も良いですが、イギリスで採用された"Beware!"と書かれたティーザーアートは、Tシャツのデザインとして見ると、本当に目を引きます。ノスタルジーとグラフィックが絶妙にミックスされ、私の『スター・ウォーズ』への愛をはっきりと、そしてスタイリッシュに表現してくれています。

インターネットが普及する以前の時代において、映画のポスターはどのような役割を担っていたと思いますか？

予告編はほとんど映画ファンだけのものであり、テレビコマーシャルはターゲットとする視聴者を逃してしまう可能性がありました。映画は冒険なのか、ロマンスなのか、ドラマなのか、それとも叙事詩なのか。『スター・ウォーズ』の場合、ポスターはこれら4つすべてを瞬時に一枚で読み取れるほどのパワーがあったと確信しています。

PROFILE

ピート・ヴィルマーはルーカスフィルム・リミテッドに20年近く勤務し、現在はルーカスフィルム宣伝部のシニア・ライター。スティーブ・サンスウィートとの共著に『THE STAR WARS POSTER BOOK』と『THE STAR WARS VAULT』の2冊、ライダー・ウィンダムとの共著に『THE COMPLETE VADER』がある。