『ファイナルファンタジー』シリーズのアートワークを長年描いてきた天野喜孝氏。最新のUTコレクション『ファイナルファンタジー』には、同氏が手がけた貴重なアートワークを落とし込んだデザインもラインナップする。彼が考える創作活動の魅力と情熱とは?天野氏のアトリエで実現したインタビュームービーをお届けする。
『ファイナルファンタジー』に携わるきっかけや自由度高く描いたアートワークについて
海外のファンタジー小説の表紙や挿絵を描いていたことをきっかけに依頼がきて、ファンタジーが描けるならば…と思って受けることに。ゲームを手がけるスクウェア(当時)のみなさんの才能や情熱みたいなものを感じ、面白いものができそうだと思ったことも大きかったのかな。ファンタジーは現実ではないものだから自由度が高くて好きに描ける、そこが一番の魅力です。キャラクターは、"こういう感じ"と文章で書かれた設定を見て自由度高く描きました。当時、可愛らしいゲームキャラクターが多かったので、僕はリアルで怖い感じに、という方向性はありましたね。最初、ドット絵で描いて「違う」と言われたりもして(笑)。色に関しては、キャラクターが持っている性格や役割によって最初から決まっている気がしていたので、それを感じ取るようにして塗りました。サンパウロで個展をした時、会場に『ファイナルファンタジー』のファンがいて、世界中の色々な人たちがプレイしているんだと、あらためて影響力を感じましたね。
自身が描いたキャラクターが映えるUTとのコラボレーションTシャツを見て
コラボレーションTシャツは、僕が描いた絵と、それをドット絵にしたキャラクターの両方が楽しめるところがいいですね。自分が描いたものなのでこんなふうに言うのはあれですけれど、デッサン的な少しラフともいえる絵が面白いし、Tシャツというアイテムにも合っていると思います。僕自身、Tシャツを着る時は、たとえばバスキアの絵であったり、カチっとしすぎていないものを選ぶことが多いですから。『FFVI』のティナが描かれたTシャツは、とても大人っぽいですね。それでいて表にはドット絵があり、見る側によってイメージが変わります。黒のゴブリンが描かれたものは絵の配置がいいし、ジャケットの下に着ると良さそう。モーグリがデザインされたものは、僕の絵の周りに小さなドット絵のものが飛んでいるのが面白いですね。手に取りやすい大人っぽいピンク色に仕上がっています。Tシャツは暖かい時期はもちろん、ジャケットやジャンパーの下に着たりと、いつでも使えるアイテムです。街で着ている方を見かけたりしたら、「おっ」と反応すると思います。
さまざまな作品が生み出されてきた天野喜孝氏のアトリエ。床には彩やかな色が踊り、テーブルには鉛筆やクレヨン、絵の具などの画材が所狭しと並んでいる。「道具は自分で買いに行きます。クレヨンや水彩、アクリルなど、使うもので表情が変わるのが面白い」。
「ファイナルファンタジー」シリーズは、1987年に第1作が発売され、最先端の映像技術や独特の世界観、豊かなストーリー性が世界中で大人気。その世界観を作り出すアーティスト、天野喜孝氏のアートと、シリーズ初期6作品のアイコンとも言えるピクセルアートを掛け合わせた特別デザイン、オンライン上で仲間たちと冒険ができるXIV、ナンバリング最新作のXVIをそろえた限定コレクション。
PROFILE
天野喜孝|アーティスト。1967年にタツノコプロダクションに入社、「タイムボカン」等のアニメのキャラクターデザインを手がける。また、舞台美術や衣装のデザインも行う。「ファイナルファンタジー」シリーズではロゴアートやイメージイラストを担当。
© SQUARE ENIX
IMAGE ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO
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