UTという名が生まれ、UT STORE HARAJUKU.が誕生したのが2007年。世界一のTシャツブランドを目指すべく、プロダクトもそれを売るストアも進化を遂げ、2020年6月5日(金)、UTが再び原宿の地に!
UT STORE HARAJUKU.の誕生
ユニクロ 原宿店から、UT STORE HARAJUKU.に生まれ変わったのは2007年4月のこと。コーポレートカラーの赤と白に、シルバーを基調とした店舗は、未来のコンビニエンスストアをコンセプトに作り上げた。壁際のドリンクコーナーのような銀色の什器には、ボトルパッケージに入ったTシャツをずらっと並べた。1階から3階まで売られているのはすべてTシャツ。各フロアの中央にはTシャツがハンガーに掛けられ、そのTシャツがどの棚のボトルパッケージに入っているかは、付けられているタグを見るか、店内に用意したタッチパネル式のコンピュータ画面で調べられるようにした。ボトルパッケージを棚から取り出すと、その後ろから自動的に次のボトルが前に出てくるようにしたのも、コンビニエンスストアの飲料コーナーと同じ仕組みだ。まるで飲み物を買うかのようにTシャツが買えるように。
2007 UT STORE HARAJUKU.
このUT STORE HARAJUKU.をディレクションしたのは、アートディレクターの佐藤可士和氏。2006年秋にオープンしたグローバル旗艦店、ソーホー ニューヨーク店に続くディレクションで、このソーホーの店の目玉のひとつだったJAPANESE POP CULTURE PROJECTの成功にUT誕生の発端があった。
駄菓子のプラスチックケースをベースに作られたボトル。ラベルデザインはコンテンツごとに異なり、UT STORE HARAJUKU.は常時500種類以上のTシャツが揃っていた。
世界一のTシャツブランドを作ろうじゃないか。
JAPANESE POP CULTURE PROJECTとは、ユニクロのTシャツをキャンバスに、日本を代表するアーティスト、写真家、漫画家、ミュージシャンたちなど34名が参画したTシャツプロジェクトだ。「今の東京」をテーマに自由な発想でデザインされたグラフィックTシャツをNYに並べることができた。参加アーティストは、写真家の森山大道、荒木経惟、漫画家の永井豪、井上雄彦、アーティストの草間彌生、五木田智央、田名網敬一など、今見ても恐ろしいほどの豪華な面々にご協力いただけた。日本の企業が日本の文化を、Tシャツを通じて紹介するという“挨拶”が、ニューヨーカーのハートを鷲掴み、大反響を呼んで即完売。この一件から、Tシャツはメッセージであり、Tシャツこそポップカルチャーだという認識が深まり、世界一のTシャツブランドを作りたいという想いが生まれるようになる。NY店のオープン直後に、アートディレクターの佐藤可士和氏が招聘され、プロジェクトが始まった。
ネーミングは分かりやすく、言いやすく、ユニクロのTシャツということでUTと決めた。Tシャツの売り方、買い方からデザインして、新しい東京土産、原宿土産にするということが決まり、未来のコンビニエンスストアをコンセプトに、Tシャツ専門店が立ち上がった。原宿の新しいランドマークに、東京の新しい観光名所になるように。結果、購入者の3割が海外からの旅行者という店舗になった。
2013 UT POP-UP!TYO 建築現場のようにトラスを組んでTシャツをディスプレイしていた東急東横線渋谷駅跡のUT POP-UP ! TYO。ポップアップストア用に100種類の新作Tシャツも用意した。
銀座を経て、満を持して原宿に帰還。
グローバル旗艦店であるユニクロ 銀座店が2012年にオープンするにあたり、UT STOREも銀座店の11階に移転。2013年には、世界最大のUT STOREを東急東横線渋谷駅跡に期間限定で出店した。UT POP-UP ! TYOという名で、200坪もの広大な敷地に、1000種類以上、1万2000枚ものTシャツを展示・販売。トラスを組んだ売り場は、さながら建築現場のようでもあった。簡単に言うと、駅のホームが店になったわけだが、圧倒的な数のTシャツをプラットホームに並べた空間は前代未聞であったと信じている。
そして、2020年6月5日。原宿駅前の複合施設、WITH HARAJUKU(ウィズ ハラジュク)のユニクロ 原宿店内に、いよいよUTが帰ってくる。世界中のあらゆるポップカルチャーがこの店に集まるように。みんな大好きな本屋やレコードショップのように、いつでも店に足を運んだときに自分の好きなジャンルのTシャツと出合えるように。未来のコンビニはミュージアムに。Tシャツはとても気軽に買えるアートのように。原宿への帰還を機に、UTのさらなる進化を感じてもらえたらいいなと思っている。
いよいよオープンする原宿店。UT STOREは入り口のある1階と、地下1階に。ミュージアム感覚でTシャツを眺められるように、近未来的インテリアがお出迎え。