ウォルト・ディズニーによるアメリカでの映画公開から2021年で70年を迎える『ふしぎの国のアリス』を、2人の日本人アーティストが心を込めて描く。
アリスとの思い出も人それぞれ。
イギリスの数学者、ルイス・キャロルが描いた『不思議の国のアリス』に登場するアリスは、好奇心いっぱいの元気な女の子。ある日、服を着た白うさぎに興味を持ち、追いかけ穴に落ちたアリスは奇妙な世界に迷い込み、突拍子もないユーモアとナンセンス溢れる不思議な体験をする。原作の発表は1865年。同作品はウォルト・ディズニーが1930年代から長年映画化を夢見てきたもので、1951年のアメリカでの公開から2021年で70年を迎える。今コレクションでは、主人公アリスや作中に登場するチェシャ猫などの不思議な動物たちを、気鋭の日本人アーティスト、オートモアイさんと塩川いづみさんの2人が、それぞれの感性で描いた。
オートモアイさんは子供の頃に感じた理不尽さや無機質さを切り取った。
オートモアイさんの2020年の作品。描くヒトには顔はないが、ヒト以外には顔がある。とても賑やかな印象なのだが、静寂を感じるのが不思議。
オートモアイさんは、可視化されにくいストリートで、暗黙に繋がる人と人との関係性を、顔のないヒトによって描き出すアーティスト。そのコンセプトは、自身の存在を正確に証明するものがないということへの追求であり、顔のないヒトは、そのほかの何者にもなり得るのだ。オートモアイさんが描いたアリスは、子供の頃に観て恐ろしかったシーンを、作中で感じる理不尽さや無機質さを切り取って表現している。「家にたくさん揃っていたディズニー映画の1本で、どうしてか当時の私には一番内容を理解できない物語が『ふしぎの国のアリス』だったので、繰り返し観ていたんです。冒頭ばかりを観ていたので、白うさぎを追いかけたアリスがうさぎ穴へ長い時間をかけて落下していくシーンが特に印象に残っています」
塩川さんは大人になる過程で感じる自分の世界と外の世界の違和感を落とし込む。
塩川さんは、“人への興味”を絵に映し出すイラストレーターであり、自分がどこか興味を持てるものでないと作品に魂を込められないという。「その昔、『ふしぎの国のアリス』を観てからパンジーが顔が見えるようになったり、庭の木のトンネルの向こうには知らない世界があるのだと思うようになったり、目に見えている世界がすべてじゃないと思うようになりました」と、その思い出と共に、“世界の奇妙さ”をイラストに落とし込んだ。「アリスが不思議の世界で戸惑う様を、大人になる過程で感じる自分の世界と外の世界の間の違和感みたいなものとして描けたらと思ったんです」
塩川さんのアリスとチェシャ猫のイラスト図案とTシャツ。一度見たら忘れられない実直でユーモラスなタッチ。
共に幼少期の体験をもとに描かれたアリス。ちょうどアリスと同じくらいの年頃から、小さい頃に観たアリスを思い出した大人まで、幅広い世代に着てもらいたいTシャツが出来上がった。さらに豆皿、チャームまで加わったのだから、これは見逃せない。
©Disney
PROFILE
オートモアイ|セルフヒーリングの一環として始めた作品制作を経て、匿名をテーマにアーティスト活動を開始。2018年に出版した300ページ超の画集『Endless Beginning』(焚書舎)の新装版もリリース。読みかけの本は、シモーヌ・ヴェイユの『労働と人生についての省察』。
しおかわ・いづみ|長野県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。広告、書籍、雑誌、プロダクトなどのイラストレーションを中心に活動するほか、作品の展示発表も行う。1日のうちで一番好きな時間は、眠る前に思いついたことをノートに綴っているとき。
※店舗ごとに在庫状況が異なりますので、予めご了承ください。
※UTの全ての商品ラインナップが揃う店舗は、「オンラインストア」と下記の「UTフルラインナップ店舗」です。
原宿店、ユニクロ TOKYO、ユニクロ PARK 横浜ベイサイド店、銀座店、ビックロ ユニクロ 新宿東口店、渋谷道玄坂店、御徒町店、池袋サンシャイン60通り店、世田谷千歳台店、吉祥寺店、札幌エスタ店、名古屋店、京都河原町店、心斎橋店、OSAKA店、あべのキューズモール店、イオンモール沖縄ライカム店