ウルトラマン
2021.04.01

「ウルトラマンUT」登場!円谷プロ・怪獣造形師が語るウルトラマンの魅力

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1966年に誕生した空想特撮シリーズ『ウルトラQ』『ウルトラマン』は、55年の長きにわたって日本の特撮業界を牽引してきた名作だ。文句なく格好いいヒーローと個性豊かな怪獣たちの物語は、“正義と悪”という二項対立に留まらないドラマを生んだ。子供たちが熱狂し、大人も涙するエンターテインメントの裏には、特撮を愛する職業人たちの、溢れんばかりの愛情があった。

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“程のいいデタラメさ”が、観る者の好奇心を刺激してくれる。

1966年に放送された『ウルトラQ』は、非常に斬新な特撮ドラマだった。それまで映画館に行かないと観ることができなかった怪獣作品が、自宅のテレビで楽しめる。しかも一話完結だから、週ごとに新しい怪獣が登場する。全国の子供たちは、その贅沢な怪獣体験に瞬く間に魅了されていった。現在、円谷プロで数々の怪獣造型を手掛ける品田冬樹さんは当時6歳。のめり込むように番組を観ていたひとりだという。「ガラモンが好きでした。愛嬌があって生きているみたいで、人が作ったとは思えなくて。“宇宙人が作ったロボット”という設定もユニークですよね。リメイクしたときはヒダを作るのが大変でしたけど(笑)」。 2クールの放送を終え、間を置かず開始したのが『ウルトラマン』だ。護送中の怪獣を逃がしてしまった宇宙警備隊のウルトラマンが捜索のため地球を訪れたところから物語は始まる。登場人物は違えど、“怪獣が登場する”という世界観はしっかり継承されていた。

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“特撮の神様”と称される円谷プロ創立者、円谷英二とウルトラマン。

「『ウルトラマン』シリーズの怪獣は格好よくて愛らしく、個性があって、ドラマチックな物語が用意されていた。円谷作品が長く愛されている理由は怪獣を大事にする姿勢だと思います」。大人気だったソフビ人形もプラモデルも買ってもらえなかった小学生の品田さんは、粘土で怪獣を作った。しかし中学に入るとブルース・リーのアクション作品や『エクソシスト』などのホラー映画にハマり、怪獣と疎遠に。高校卒業後に就職したものの、アニメブームの影響で絵を描きたくなり、退職して専門学校へ。有楽町マリオンでゴジラ25周年の懐古上映を観たとき、「これをやりたい!」と長年の思いが蘇った。「気持ちがはやりウルトラマンの顔を木彫りで作りました。能面は木製だしノミで削り出せばいいと思って(笑)。メイキングなんてない時代でしたからね」。造型会社に入り、東映の『宇宙刑事シリーズ』をはじめ映画やドラマなどの特撮作品に参加。1986年に独立し、1989年には映画『ゴジラVSビオランテ』に登場するビオランテの造型を手掛けた。そして2009年に円谷プロへの入社が決まり、念願のウルトラマンの造型に携わることに。以降様々な作品を手掛けてきた品田さんの、最も思い入れの強い怪獣は『ウルトラマンオーブ』に登場したマガオロチだという。

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品田さんが手掛けた怪獣の中でも最も思い入れが強いというのが、『ウルトラマンオーブ』に登場のマガオロチ。

「ものすごくいい暴れっぷりを見せてくれたんです。前半はたたみかけるような強さで、後半はウルトラマンにやられて、もんどり打って倒れる。視聴者も沸きに沸いて、怪獣プロレスの骨頂を見ましたね。総じて、怪獣の魅力とは、“程のいいデタラメさ”だと思っています。親御さんはよく『怪獣じゃなくて恐竜で遊びなさい』と言うんです。恐竜は学術的ですから。でも子供というのは好奇心の塊で、見たことのないものに興味を持つ。デタラメの中にもっともらしさを見つけて、想像力を増幅させるんです」

親が危惧する「怪獣より恐竜」という感覚も徐々に変わりつつある。『ウルトラQ』の誕生から55年という長い歴史の中で、怪獣作品は親、子、孫と、三世代に渡って楽しめる一大エンターテインメントになったからだ。その屋台骨を支えてきた品田さんは、こんなときに造型師としての嬉しさを感じるという。「怪獣との記念撮影イベントに快獣ブースカが登場したとき、『かわいい〜!』という喜悦のような歓声が上がったんです。もう、後頭部から脊髄にかけて、ビリビリッと痺れるような感動がありました。僕は誰かを喜ばせることはできないけれど、僕が作った怪獣ならエモーショルな驚きや喜びを与えられる。それって、すごく平和で、幸福な連鎖だと思うんです」

PROFILE

ウルトラマン|1966年に円谷プロダクションが制作した特撮ドラマ。『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』などの続編やアニメ展開を経て、’90年代には『ティガ』『ダイナ』『ガイア』の三部作が話題に。最新作は『ウルトラマンZ』。現在はウルトラマンゼットの活躍を振り返ることができる『ウルトラマンクロニクル ヒーローズオデッセイ』(テレビ東京)が放送中。

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