復興応援プロジェクト 2013年活動報告
昨年も投資をしていた投資先6案件に引き続き2013年度は5案件新規に支援しました。
各支援先に対しては担当アドバイザーを決定し、財務や経営戦略策定支援および実行のサポートをしています。
各投資先の状況は次の通りです。
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- 三陸いりや水産株式会社
地元の産品を使用、また地元企業とのコラボを通じて地域経済への貢献を図り、独自の商品を開発している。現在新工場建設に向け準備しており、従業員も多数追加募集する予定で、引き続き雇用の創出という点でも地域貢献が期待される。
- (2)
- 女川町宿泊村協同組合
観光や復興事業関係者たちの宿泊場所として、活用される。今後は地元の観光業界や水産企業等と連携を強化し、復旧を超えた女川町全体の経済活性や雇用拡大を目指す。
- (3)
- 株式会社 onagawa factory
地場産業の中心であった魚の形の木工製品づくりを通し、被害に遭われた方々の経済的自立支援を実行。作業環境の改善や機器の導入による商品開発に力を入れ、更に被災地復興を目指す。
- (4)
- NPO法人 TATAKIAGE Japan
福島に根差し復興を担う起業家を発掘・育成する。起業家の交流や協働を促すシェアオフィスを運営し、起業家向けセミナーなど、同じ志を持つ者同士互いに切磋琢磨し、良い影響を与えながら復興を支える場所となることを目指す。
- (5)
- 再生の街プロジェクト
地域の事業者のつながりを活かし、再興された被災企業と提携し再生可能エネルギーの発電事業を行う。太陽光パネルによる売電電力が被災企業等へ助成寄付され被災地の復興に貢献。今後も被災地の産業再生と再生可能エネルギーの普及を推進する。
喜びの声・エピソード
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- NPO法人 TATAKIAGE Japan
震災後、地域に根差して活躍する起業家の存在と場所こそ福島の復興に必要と考え、まずは復興を越えた新たな街づくりを行うために「復興飲食店街 夜明け市場」をオープンさせました。更に、飲食業以外の方々も育成また支援することで福島の課題解決を加速させ、日本の未来を担う人財を福島から輩出しようと「NPO法人 TATAKIAGE Japan」を設立し、2013年7月に、コワーキングスペース(基金は改修資金を支援。設計はコスモスイニシア、内装設備等はIKEA等とコラボで支援を実施)運営を開始。現在 県外の多くの団体とも連携し始めています。2013年には「街の活性化はそこに働く人たちの活気をつくる事が何より重要」(審査委員コメント)と評価され、グッドデザイン賞を受賞しました。また、ふくしまベンチャーアワードでも最高賞である金賞を受賞。創業者のお二人より「福島の課題解決は、日本や世界の課題解決になると信じ、復興を超えて視野を広く持ち、これからも邁進します」とのコメントをいただいております。
今後の活動について
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- 資金支援の継続実行
現在までと同様に、被災復興に関わる、再生および新規マーケット創出を目指す企業や組織への資金支援を継続実施 - ・
- 既存支援案件のバリューアップの継続実行
11件の資金支援実行先のバリューアップ支援を継続。必要な場合はアドバイザーのネットワークを利用してサポート体制の強化等の追加施策を実行 - ・
- 社会投資的管理指標(KPI)共有しての既存先管理のスタート
案件毎に、収支以外のKPI(地元雇用率や地元産品利用率等)を設定し、まずは既存の効果を検証する。その後も適正なKPIにて案件の管理を継続 - ・
- 既存支援先からの一部償還のスタート
支援スタートから当初3年間程度は償還をしない想定の案件が多いが、案件の状況を勘案して、一部償還を実施することを開始したい - ・
- 共益投資基金スキームの横展開の検討
これまでの基金の取り組みや全体の投資効果を一旦検証し、可能ならば自治体等へ横展開ができるような動きを模索する
意気込み
当初スタート時の、共益投資の理念をもった資金支援の実行は、一定のレベルで達成できたものと考えております。今後も資金支援の継続と既存案件のバリューアップを実行することで、目標である2度の資金支援の実行を目指して、復興支援を継続してまいる所存です。それに加えこれまでの取り組み、投資の効果を検証し、その成果を我々だけのとどまらず共有していくことで、基金モデルの横展開を志向し社会的インパクトを拡大していきたく考えております。