GENDER

CAREER BUILDING
TRAINING
FOR WOMEN

ユニクロの
キャリアアッププログラム

自分の可能性を信じられる世界へ。

ユニクロの大切なパートナーでもあるバングラデシュの縫製工場では、働く人の約8割が女性。しかし、文化的・社会的な背景のために、役職が上がるほど、女性の割合が減っていくのが長年の課題でした。
ファーストリテイリンググループは、2019年当時パートナーシップを結んでいたUN Women(国際女性機関)とともに取引先工場で働く女性従業員のためのトレーニングプログラムを開発。
2020年にパイロットを実施したところ、成果として女性管理職を着実に増やすことができました。
当プログラムは2021年より本格的に運用され、管理職になる意欲をもつ女性たちのキャリアアップをサポート。2022年度8月末までに、7工場で計163人の女性管理職が誕生しました。バングラデシュの女性たちが自分の夢を叶えるためのサポートを続けていきます。

自分の可能性を信じて、未来へ。

トレーニングプログラム

  • ソフトスキルトレーニング:11 日(1工場につき40~60人) 工場の女性従業員がスーパーバイザーなどの管理職になるためのリーダーシップの習得や自信を身につけるトレーニング
  • テクニカルスキルトレーニング:15日(ソフトスキルトレーニング受講者の半数が参加。1工場につき20~30人) 生産ラインの管理業務に求められる技術についてのトレーニング
  • 管理者向けプログラム:1日(1工場につき20~30人) 女性が昇進しやすい環境づくりに向けて、周囲の理解を促進するため、人事部門、技術部門など
    関連部門も含めた管理職向けトレーニング
    女性の活躍を妨げる偏見などへの気づきを促すセッション ジェンダー平等の意識向上のためのトレーニング

2025年に向けた目標

  • 今後は、バングラデシュの女性たちを応援するために、取り組みの範囲をさらに広げていきたいと考えています。 トレーニングをより多くの工場に展開するだけでなく、育児と仕事の両立、健康維持など、女性従業員が日常生活で直面する問題にも取り組んでいきます。
    この取り組みを推進するために、バングラデシュの取引先工場で2025年末までに以下の3つを達成することを目標として設定しました。
  • 1,500人の女性従業員がトレーニングを受講 工場の生産部門における女性管理職比率が平均30%以上 すべての女性従業員が、以下のサービスやサポートをより受けやすい環境をつくる 託児所や託児サービス 身体的・精神的健康を増進するためのサポート 安全な通勤手段

「女性だからできない」を「私にもできる」に
―固定観念を自信に変える

アンビア・アクター スーパーバイザー

アンビア・アクター
スーパーバイザー

アンビア・アクター スーパーバイザー

アンビア・アクター
スーパーバイザー

「この研修が私にもたらした最大の変化は、『自信』です」。
Green Textile社の縫製工場で働くアクターさんはそう語ります。現在監督職の彼女は、30台の機械があるラインの責任者。朝8時、縫製ラインに問題がないかを調べ、レポートの確認やメンバーの勤怠チェックを行い、その日の目標を設定します。「全員で目標達成するために、どう部下と協力していくかを考えるなど、仕事にやりがいを感じています」。
以前は縫製の機械を扱うオペレーターでした。2021年にファーストリテイリングとUN Women(国連女性機関)が導入支援した研修を受講し、リーダーシップやコミュニケーションを学びました。研修を通じて、「女性は管理職とは無縁」という思い込みに気づき、「私にもできる」と気持ちが変わったといいます。変化は周囲にも生まれています。「かつて監督職は男性がほとんどでした。初めは“女性にはできない”と言われましたが、実績を示したことで男性従業員の態度が変わりました」。アクターさんに続いて監督職への昇進を目指す女性従業員も現れました。「バングラデシュでは、職場でも家庭でも、女性の能力は低いと考えられています。しかし、努力できる環境とサポートがあれば女性でも昇格したり、キャリアを高められる。女性だからできない、というマインドセットを自らも変えていかなければなりません」。アクターさんは自分が昇進したことで、家計も計画的に管理できるほどに安定し、両親を支えています。自身の力で生活はもっとよくなる、という自信を持てるようになったと語ります。「働き始めた時には想像もしなかったようなことが、今なら自分にもできると思えます。次の目標はプロダクションマネージャーへのステップアップです」。アクターさんは芽生えた自信と共に、新たな挑戦を続けています。

参加した3人の女性へインタビュー。
「あなたの夢は、何ですか?」

スルタナ・アフリン ジュニアオペレーター

スルタナ・アフリン
ジュニアオペレーター

「もっとチャレンジングなポジションで、仕事がしたいと考えるようになりました」。首都ダッカに本拠を置くメトロニッティングファクトリーで働くスルタナさん。彼女を含む50人の女性が、リーダーシップ、交渉、コミュニケーションスキルに焦点を当てたトレーニングセッションを受講しました。「以前は、外に出て働くのは男性の役割だと思いこんでいました。今はまったく、そう思わないけれど」。コミュニケーションスキルを学んだことにより、仕事だけではなく家庭でも、自分の考えを家族にしっかりと伝えることができるようになったという。「大きな夢よりも、小さな一歩の積み重ねを私は信じています」。フロアマネージャーになる。その目標に向かって、彼女は笑顔で挑戦を続けます。

ハシー・ベグム ジュニアオペレーター

ハシー・ベグム
ジュニアオペレーター

「娘を立派に育てて医者にしたい。それが私の夢です」。そう語るハシさんはかつて、女性は家にいるのが当たり前という考えの持ち主でした。しかし、家の近所に縫製工場ができたことで、彼女の価値観は一変します。以前は自分を表現したり、新しいことをはじめたりするのが怖かった。けれど、今では働くことの意義を見出すことができた。
夫婦がともに働き、子どもを育てることに誇りを持っていると彼女は言います。「すべての女性従業員が、私のようにトレーニングを受けることができたら、工場の雰囲気や環境は、もっと良くなると思う」。彼女はそう力強く語ってくれました。「誰だって、自分の未来と権利のために立ち上がることができるはずだから」。

プリアンカ・ラニ・サハ 品質管理官

プリアンカ・ラニ・サハ
品質管理官

「ストレス・マネジメントについて学びました。いかなる状況でも、正確に仕事を終えるためのヒントを与えてもらいました」。マイメイシン管区のグリーンテキスタイルファクトリーに入社したプリアンカさん。彼女はここで一人の男性と出会い、恋に落ち、やがて結婚を決意します。忙しい毎日を送る二人は効率よく家事を分担し、互いを尊重しながら生活しています。これは、今までのバングラデュにおいてはきわめて進歩的な考え方。プリアンカは、バングラデシュがいつの日か、世界の模範となる国になることを夢見ています。「夜、女性が一人でも出歩いても大丈夫なぐらいに、自由で安全な国になって欲しい」。パートナーや両親とのオープンなコミュニケーションを望む彼女。新しい価値観を持つ女性たちが今、この国の空気を変えようとしています。

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