2010.10 発刊 (服のチカラ 5号より)

グラミンレディ、READY FOR LIFE!

募金活動と、ボランティアの先にあるもの グラミン銀行の仕組み

「利益があがったら、2人の子どもの教育に使いたい」。ユニクロから支給されたばかりの販売用バックを肩から掛け、瞳をキラキラと輝かせて話す「グラミンレディ」たち。彼女たちは、全国800万人にのぼるグラミン銀行のボロワー(債務者)の中から、ユニクロのソーシャルビジネスに自ら手を挙げたメンバーだ。バングラデシュでは、衣料販売の行商は珍しくない。今回も、月に1万タカ(1タカ=約1.2円。9月末現在)以上の売り上げを誇るエキスパートが参加している。実際、現地のマーケット価格はTシャツ1枚が10円くらい。ユニクロ商品とは数十円ほどの差があるが、彼女たちは、確信をもって、売れる!と言ってくれた。「ユニクロの商品は丈夫でサイズも豊富。長い目で見ればとても価値があると思います。」。もちろん、商売は、商品だけ良くても駄目。たくさん覚えることがある。学ぶべきことがある。商品知識はもちろん、礼儀、マナー...。「最初は、大変。文字も読めないし、数字がカウントできない。でもユニクロの人たちは根気よく、丁寧に、私たちに接 してくれました。商品のサイズや形もわからないと言ったら、商品ごとに色別のシールで分類してくれた。でもシールがうまく剥がせない(笑)。シールなんて見たこともさわったこともないし。値段は、すぐわかりました。なにしろお札の絵を商品台帳に貼ってくれたから(笑)」。そして、2010年9月、待望のユニクロ商品のテスト販売が始まる。「試着会は大成功でした。女性同士なので、みんなほんとうに楽しそうで、興味津々。賑やかでしたよ。馴染みのない商品もあるので、しっかり説明しないといけない。例えば、農村部ではショーツをはく習慣はありません。でも、衛生面や働くことを考えれば、あった方がいい。ユニクロの服が女性の生き方さえ変えてくれるかもしれない...」。グラミンレディたちが服を売り、お客さんが笑顔になる。その利益で教育を受けた子どもたちが、新しい未来を描いた時、きっと服のチカラは未来になる。