UNSTEREOTYPE School
より良い未来のために、服がチカラになれること。

より良い未来のために、
服がチカラになれること。

自分がありたい未来を描けるようになるために、
服がチカラになれることはないだろうか。
服は、生活の身近にあるもの。
知らないうちに根付いていた
ステレオタイプ(固定観念)に
気付くきっかけをつくれるかもしれない。
服には、おしゃれをしたり、
体を守ったりする以外にも、
より良い未来を描くチカラがきっとある。
「UNSTEREOTYPE School」は、
服を起点にステレオタイプについて考え、
服が持つチカラを未来につなげる試みです。

活動協力:
大妻女子大学 文学部 コミュニケーション文化学科
3年生・4年生のみなさん、
教授 田中東子先生、准教授 興津妙子先生
大妻女子大学

UNSTEREOTYPE  School 1時間目 知る

ステレオタイプとは、そもそもどんなことを指すのか。
社会的なジェンダーステレオタイプは、
どのようにつくられたのか。
大妻女子大学の田中教授、興津准教授監修のもと
作成した教材を使い、定義や歴史を学びました。

授業のハイライト

UNSTEREOTYPE  School 2時間目 考える

ワークショップフロー

1

幼少期から現在に至るまで自分の服装がわかる写真を並べる。

2

それぞれの時期にまつわる思い出や環境、「ステレオタイプ」の観点で気付いたことをワークシートに記入する。

3

「自分が本当に着たい服」をイメージ・デザインする。
(絵、画像素材、雑誌の切り貼りなど)

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4

グループでディスカッションする。

UNSTEREOTYPE  School 3時間目 行動する

UNSTEREOTYPE Closet アンステレオタイプクローゼット

3時間目は「UNSTEREOTYPE Closet」と題し、
ユニクロとジーユーの服を使って、
それぞれのステレオタイプにとらわれない
ファッションコーディネートをしてもらいました。

企画概要

  1. “MEN” “WOMEN”をまぜたアイテムリストから、自由に服を選んでもらう。
  2. 服を学生さんの自宅に届ける。
  3. 選んだ服と自分の服で、自分の中にあったステレオタイプにとらわれないコーディネートをしてもらう。
  4. 自分の中にあったステレオタイプと、今回やってみたコーディネートを照らし合わせてみる。

このプロセスを通して、どんなステレオタイプに気付き、どんな 「自分らしいファッション」が見えてきたのか。
5人の学生さんのケースをご紹介します。

#01

大妻女子大学3年
M.Kさんの場合

「これからは『リスクを避ける』よりも、『着たい服』を選べたらと思います。」

自分としてはそこまで気にしているつもりはなかったのですが、私は体型をなるべく隠せる服を選んでいるんだなぁと気付きました。その理由は、過去の体験にあったのかもしれません。小さい頃、母から選んでもらった服を着ていたら、友だちから「なんか変だよ」と言われて、友だち目線で服を選んだら、今度は家族から「らしくない」と言われたことを思い出しました。そんな体験から、どうしていいのかわからなくなってしまって、結果として、誰かに何かを言われるのを避けたくて、体型を隠せる無難な服を選ぶようになったんだと思います。 そして、ファッションについて考えたり興味を持ったりすることをやめてしまい、思考が停止していました。 でも今回、UNSTEREOTYPE Choiceで体型を隠さず肌が見える服を選んでみて、意外と悪くないかもしれない、と感じています。親からも言われていることですが、人は人、自分は自分と思って、今までは躊躇していた服も選択肢に入れていきたいと思います。

#02

大妻女子大学3年
M.Hさんの場合

「ユニセックスなファッションにチャレンジしてみたいです。」

地元の高校にいた時までは、自分に似合う服しか着ちゃいけないというステレオタイプを持っていました。大学進学で上京してきた時に、周りの人たちがとてもおしゃれに感じられて、「常におしゃれでいなければならない」というプレッシャーがありましたが、少しずつファッションが自由になっていきました。最近は、テレビでユニセックスという言葉を目にすることが増えて、そういったファッションに興味が湧いてきたのですが、自分が着こなせる自信がありませんでした。もしかすると、無意識のうちにまだ地元にいた頃の自分らしさにとらわれていたのかもしれません。UNSTEREOTYPE Choiceでは、ユニセックスなファッションにチャレンジしてみました。地元を離れて時間が経ったこともあると思うのですが、服を自由に選ぶのが当たり前になって、着こなしが少しはわかるようになってきた手応えもあるので、これからも自分の理想のファッションを探していけたらと思います。

#03

大妻女子大学3年
K.Tさんの場合

「『バスケ部の私』と『それ以外の私』。どっちも私なんだなと思いました。」

私は小さい頃から女の子らしい格好が苦手で、特にふわふわとしたシルエットや、ピンクなどの明るい色の服に抵抗感がありました。たぶん、高校までバスケに打ち込んでいたので男の子っぽい印象を持たれたり、背が高くて大人びた雰囲気に見られたりすることが多く、自分には似合わないと感じていたからだと思います。大学生になってから自然とスカートを履くようになったんですが、その理由を深く考えることはありませんでした。今回のプロセスを通して、大学に入ってバスケを辞めたことで、周囲が抱く「バスケ部の私」のイメージにとらわれなくなったからなのかもしれない。と、あらためて気付きました。バスケは自分のアイデンティティではありますが、自分らしいファッションを楽しんでいきたいと思いました。

#04

大妻女子大学3年
H.Kさんの場合

「留学先で見た、ビキニを着たおばあちゃんを思い出しました。」

私は何度か留学を経験しているのですが、振り返ってみると、留学先の国や友だちに合わせてファッションを選んでいました。たとえば、白人の友だちが多かった時は、なんとか「服だけでも」溶け込みたくて、デニムのショートパンツにTシャツにサンダルといった格好をしていたと思います。日本に帰ってくると、周りから露出を控えた方がいいと言われることが多く、普段は肌を見せない服を選びがちです。今回、自由に服を選ぼうと思って選んだトップスは、襟ぐりが深いVネックでしたが、露出が高いものをあえて選んだのではなく、デザインが好きで自然と選んでいました。この活動を通して、ふと思い出したのは、留学先のビーチで見かけたビキニを堂々と着たおばあちゃんのことです。自分がいる環境に合わせることを否定するわけではありませんが、露出度が高いとか低いとかではなく、自分が着たい服を着る方がやっぱり楽しいと、あらためて感じています。

#05

大妻女子大学4年
S.Yさんの場合

「考えてみること、話し合ってみることが、自分らしいファッションにつながるんだと思います。」

私は昔から、体のラインや肌が見える服に抵抗がありませんでした。母がブラジル人ということもあって、自分が好きな服を着ていいと言われていたので、それは自然なことだと思っていたんです。でも、年齢が上がるにつれて、だんだんと周りの視線が気になっている自分に気付きました。そこで今回は、あえて肌が見える服を選んでみました。着てみて思い出したのは、好きな服は自分に自信を与えてくれるということです。ステレオタイプにとらわれないためには、もちろん自分の意識を変えることも大切ですが、社会全体が変わる必要もあると思います。このプロジェクトをきっかけに、友だちとファッションについて話すようになり、まずはどんなことでも疑問を持ち、考え、意見を交換することの大切さを実感しました。たとえばピタッとしたスパッツでも、自分が着たいと思った服なら、周りの目を気にせずに履けるような社会になっていったらいいなと思います。

参加した学生さんのコーディネート例

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UNSTEREOTYPE  School 4時間目 提言する

Proposal

一人ひとりがステレオタイプにとらわれない「ありたい未来」を実現できる社会をつくっていくために、ファーストリテイリングはどうあるべきなのか。「UNSTEREOTYPE School」最後の4時間目は、一緒に学んできた学生さんたちから提言をいただきました。10月11日(日)の国際ガールズデーを2日後に控えた10月9日(金)、大妻女子大学の皆さんと議論を交わしました。

登壇者

登壇者

大妻女子大学3年生・4年生のみなさん
田中東子先生(大妻女子大学 文学部 コミュニケーション文化学科 教授)
興津妙子先生(大妻女子大学 文学部 コミュニケーション文化学科 准教授)
株式会社ファーストリテイリング

学生のみなさんから
ファーストリテイリングへいただいた提言

提言1
多様な体型に寄り添えるよう、
サイズ展開を増やしてください。
多様な体型に寄り添えるよう、サイズ展開を増やしてください。
ウエストのサイズや丈の長さなど、さらに細かく
サイズ展開があった方がよいのでは?
提言2
服作りのあり方が、ジェンダーステレオタイプの形成を助長している。
服にまつわるステレオタイプに意識的になって商品を作ってください。
服作りのあり方が、ジェンダーステレオタイプの形成を助長している。服にまつわるステレオタイプに意識的になって商品を作ってください。
特にキッズ商品の色やデザインが幼少期から
ジェンダーステレオタイプを刷り込んでいるのでは?
女の子が青を、男の子がピンクを着てもいいのでは?
提言3
マネキンやモデルの種類が画一的。
多様性を持たせてください。
マネキンやモデルの種類が画一的。多様性を持たせてください。
体型、人種、セクシュアリティのバリエーションを
増やすことで、着用イメージが湧きやすくなるのでは?

今回いただいた提言を
真摯に受け止め、
今後のさまざまな取り組みにおいて
検討して参ります。

活動に参加した学生さんたちの声

ジェンダーステレオタイプの根本を追求してみる
と、
本当にちっぽけで根拠のない薄いものだと知るきっかけになりました。

自分自身もジェンダーステレオタイプを
持っていたのかもしれません。
好みもありますが私自身、女性らしい服装にとらわれていました。

男性的な、女性的なというものはなくて、
自分が着たいものを今までも着てきたし、
これからも着ていいんだと思いました。

服で自分を判断されてしまうことを心配して服を選んでいました。
ステレオタイプな考え方が知らないうちに影響していたと気付くことができました。

周りからステレオタイプな視点で何か言われたという経験はありましたが、
自分も同じようにステレオタイプな考え方を持って周りを見ていたのだと改めて気付きました。

教授たちから

教授 田中東子先生

教授
田中東子先生

ジェンダーに関するステレオタイプは、日々の生活のなかで形成されています。これまでの人生で選び、身にまとってきた「服」という極めて身近なアイテムについて内省し、分析の対象とすることで、学生たちは自分自身のジェンダー意識を日常的に構築している無意識的なステレオタイプや、日常生活に埋め込まれた「女らしさ」の規範について考察することができました。「服」をスタート地点に、私たちの社会に内在するジェンダー規範を批判的に見出すことにこれからも取り組んでいってください。
准教授 興津妙子先生

准教授
興津妙子先生

学生たちは、自身のこれまでのファッションを振り返り、社会によって作りだされるさまざまなステレオタイプに無意識的にとらわれてきたことに気付くことができました。他人目線で物ごとを考えることは「他人と同じ」という安心感を得られる一方、思考を停止することにつながります。常識的なものの見かたに常に意識的であり、ステレオタイプにとらわれず自律的・主体的に考えること。プロジェクトを通じて学んだこれらのことは、大学での学びのみならずこれからの社会を生きる上でも大切な力になることでしょう。
UNSTEREOTYPE Schoolという、試み。 ファーストリテイリングは、今後も服を通じたステレオタイプへの挑戦を続けていきます。 本プロジェクトは、2021年春頃に、全国の教育機関に対して参加の公募を開始する予定です。 UNSTEREOTYPE Schoolという、試み。 ファーストリテイリングは、今後も服を通じたステレオタイプへの挑戦を続けていきます。 本プロジェクトは、2021年春頃に、全国の教育機関に対して参加の公募を開始する予定です。

ファーストリテイリングは、UN Women(国連女性機関) が組織する「#UNSTEREOTYPE ALLIANCE」のグローバル メンバーです。

#UNSTEREOTYPE ALLIANCE FAST RETAILING