復興応援プロジェクト 2013年活動報告
震災前から人口が減少しつつあった石巻市に、現在の復興の担い手が安心して住み続けることができることと、将来の復興を担う子どもの教育環境を回復させることの重要性に着目し、様々な子ども支援を実施しました。この活動はユニクロの従業員によるボランティアの多大なる貢献によって可能となりました。
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- 学校施設等改善
被災した5校でユニクロの従業員のボランティアによる12件の活動により、合計1,392人の児童の教育環境が改善しました。結果、図書室を利用した授業、水泳など、震災によって停止していた授業を復活させることができました。また、側溝清掃(約400m)、校舎移転作業等の業務を教職員に代って担うことで、約180時間相当の教員の負担が軽減され、児童と接触できる時間を増やすことができました。
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- 「私たちにできる復興計画」実施
生徒たちが能動的に復興に関るきっかけを提供するため、門脇中学校生徒による復興計画をサポート。他県の中学生との共同作業等(門脇中学生308名を含む述べ1,200名が参加)によって甚大な被害を受けた門脇町で22個の花壇を完成させました。自ら状況を変化させられるという成功体験と交流の機会を生みました。
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- その他、ふるさと子どもカレッジ、子どもダンス教室などの活動に延べ348名の児童が参加し、誇りを感じた、明るくなったなど、心のケア、運動不足解消などに寄与しました。
喜びの声・エピソード
門脇中学校「私たちにできる復興計画」
焼失した母校である門脇小学校と色を失った街に淋しさを覚え、雑草が生えても嬉しかったことから花壇作りを提案しました。絆と友情をイメージした花壇は4月に美しく開花し、人とのつながりを広げていこうと「つながる花壇」と名付けられ多くの人を励ました。夏には栃木県より中学生が148人訪れ、門脇中学生と交流しながら活動しました。後日温かい思いを込めた作文集が学校から届きました。発案した生徒は「花が咲いて色々な人が笑顔になった。栃木県の学校とは色んな話をして楽しかった。多くの人がきて笑顔があふれる街にしたい。」と語ってくれました。
ふるさと子どもカレッジ
谷川浜での漁業体験にて、アンケートで「石巻を誇らしく思った点」として、「魚が多くてすごい」「漁師さんがかっこいい」「豊かな自然」「貝の養殖ができる」等のコメントをもらいました。震災後水辺に行きたがらない子どもが多い中、参加者が数人谷川浜を再び訪れました。
今後の活動について
復興応援プロジェクトの3年目として、引き続き「夢や希望のある街」をめざし、子ども支援を継続します。
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- 学校応援プロジェクトを継続し、石巻市小中学校のニーズに基づいて3年目の活動を行います。
復興の状況に応じたニーズは変化しており、また、PTAが校舎のメンテナンスに動き出した地域もある為、状況を精査し活動の方向性を転換します。特に、PTAなど地域の活動を中心に状況を改善できるような仕組みの構築に貢献していきます。
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- 石巻市の子どもを対象とした「ふるさと子どもカレッジ」を4月~10月の計画で実施します。
子どもが楽しく学習しながら石巻市を知り、ふるさとの価値を認識する体験学習を約8回のシリーズで実施する予定。石巻市を好きになり誇りを感じることにより、震災を乗り越えて夢と希望を抱くよう働きかけます。コンテンテンツは石巻市教育委員会生涯学習課と協議の上決定します。
意気込み
震災後3年が経ち、住まいや学校環境などの復興事業はなかなか進まず人々の状況の格差が広がっています。被災した地域では人口が減少し、コミュニティ、学校、PTA、子ども会が一体となって子どもたちを見守る環境が失われています。復興の担い手となる子どもたちが夢と希望で笑顔になれるよう、また、暮らしやすい、ずっと暮らしたい街を実現するため、サポートを続けていきます。