society

特定非営利活動法人 ADRA Japan(アドラ・ジャパン)

2013年の活動報告

ホームページ
http://www.adrajpn.org/

フォトレポート

復興応援プロジェクト 2013年活動報告

福島県において、地域の復興を担う若者に向けた人材育成と農業の再生のための支援活動を実施。

(1)
若者に向けた人材育成支援
「未来・夢・希望」をテーマに、先の見えない避難生活や不安な生活の中にも、若者が可能性を広げ、希望を持って前に進むためのきっかけとなる機会を提供しています。 高校生を対象とした、企業インターンシップの2回の実施・リーダーシップ研修の実施、中学生を対象とした東京でのサマースクールを実施するなど、延べ262人の若者に影響を与えました。この活動通じて多くの出会いやきっかけがあり、将来進むべき道を決めた生徒もいます。
(2)
農業の再生のための支援(農と母の架け橋プロジェクト)
福島県の有機農産物生産者と専門機関の取り組みとその成果を整理して消費者に伝え、また、福島県の生産者と交流する機会を通じて、食の安全性に関心を持つ消費者との相互理解を図ることを目指しています。
今年度はおもに市民放射能測定所との関係醸成と、それに関心を持つ人々との交流プログラムを行ないました。参加した人数は15名程度でまだ少ないですが、相互理解の度合は深く、今後の展開を広げるための信頼関係は樹立することができたと感じています。

喜びの声・エピソード

(1)
福島県立双葉翔陽高校の生徒たちが、「地元(大熊町)の仮設住宅の住民に笑顔になってほしい」と足湯とすいとんを振る舞うイベントを実施しました。生徒たちは放課後に集まりながら、ゼロからこのイベントを企画・準備しました。参加した住民からは、「足も心も温まった」「また生徒たちとイベントをしたい」と言われるなど大変好評でした。生徒たちも「ふるさとの人と話せて楽しかった」「またやりたい」と前向きな意欲をみせ、地域の人々の交流として広がるものとなりそうです。
(2)
八王子市のグループが福島県二本松市で新しいグリーンツーリズムを行っている若い生産者を招いて、交流イベントを開催しました(2014年1月)。
生産物の放射能リスクを低減する努力を続け、そのような取り組みを発信し続けている福島県の若い生産者と都会の消費者が直接会って、お互いの思いを語り合いました。それぞれがお互いのことを理解する良い機会となりました。

今後の活動について

(1) 福島県の若者に向けた人材育成支援活動

若者がさまざまな出会いや経験などを通じて、将来に役立つスキルを身につけ、自分の興味や可能性を広げるために学校と外部の社会(学校・会社・団体など)をつなぐ。
若者が地域のイベントなどに参画するために若者と地域をつなぐ。
教師や地域の人々が上記の活動に主体的に取り組めるよう、教師や地域の人々を活動に巻き込み、新しいスキルや情報とつなぐ。

(2) 農業の再生のための支援活動(「農と母の架け橋プロジェクト」)

「測る、知る、暮らす」と題した生活圏での放射能についての冊子作成と配付
生活圏の空間線量測定とワークショップによる福島県在住の若い母親たちのエンパワーメント
魚と海洋の放射能対策の取り組みを実地見聞して発信する「お魚プロジェクト」
放射能についての正確な情報をわかりやすくまとめて発信するWebサイトの構築と運営
福島県生産者との交流プログラム

意気込み

(1)
福島県の内外の人々をつなぎ、若者がさまざまな出会いや経験を体験できる機会を提供するとともに、若者が地域の復興に主体的に関わるための支援活動にも取り組んでいきたいと考えています。
(2)
農業からさらに範囲を広げて、漁業での放射能対策の取り組みの調査・報告と、生活圏の測定とカウンセリングによる住民のエンパワーメントも行い、包括的に福島県の生産者と住民の支援を行なう計画です。

その他

福島県立双葉高校の1年生が「地域で一番愛されるお店になるには」というテーマについて、自分たちで調査し、考え、(株)ユニクロ小名浜店が地域で愛されるお店になるためのアイデアを提案しました。2014年3月17日から19日までの3日間、生徒たちは実際に小名浜店でインターンとして働きながら、自分たちが考案した愛される店舗作りを実践します。どのようなお店になるのかご期待ください。