復興応援プロジェクト 2013年活動報告
- (1)
- 福島からの避難母子専用の保育園「あいびぃ保育園」の運営
山形県は、県外から避難者数が全国一で、2世帯生活の長期化により経済的に困窮している現状です。13年3月現在17%にあたる9,420人(全国は56,920人)が避難し、その大半が母子避難です。しかし、公立や認可の保育園はいっぱいで、お母さんたちは子どもを預けて働くこともできませんでした。そこで福島の子ども専用保育園を12年9月に山形市に開園。定員は40人。今年度は74人の子どもたちを預かり、お母さん61人の仕事や就活に役立つことができました。保育料は月諸経費込で1万円という安さで、給食やおやつもセシウムや添加物に配慮し、喜ばれています。
- (2)
- 津波、地震により全壊した保育園の再建後の運営支援
宮城、岩手の2県で40の保育施設が全壊しました。(宮城27/306、岩手13/168)そのため事業所が再開しても、職場復帰できないお母さんたちが増加。そこでIVYでは、特に公的支援の少ない認可外保育園を支援することとし、2013年度も気仙沼市の「つぼみ保育園」の保育士さんたち5人の人件費と会計処理をサポートした結果、お母さん18人が0才から2才までの赤ちゃん18人を月~土曜日の朝7時半から午後6時までベテランの保育士さんたちに預けて安心して働くことができました。
喜びの声・エピソード
福島から避難して来られ「あいびぃ保育園」にお子さんを預けているお母さんのグッドストーリー
A子さん「母子避難を継続する中で離婚が成立し、どうしても働かなければならない環境にありました。そこで4歳になったばかりの娘をこの10月からあいびぃ保育園に預けることになり、すぐに就職先を見つけることができました。資格を活かして仕事をすることも考えていますが、まずは娘への負担も考え、近所でパート勤務をしています。子育てで悩んでノイローゼになったこともあったが、保育士さんと連携しながら育児と仕事の両立を始めたところです。」
B子さん「5歳と2歳に女児を抱え、被災地から山形へ避難した後、離婚して母子家庭になりました。資格や学歴がないのでなかなか仕事に就けなかったのですが再就職先が見つかり、朝早くから必死で働いています。あいびぃ保育園でつながったお母さんたちとの交流を大事に感じています。また保育園に頼るだけでなく、せっかく出会った人たちが支え合うことができたらいいと思っています。」
今後の活動について
- (1)
- 福島からの避難母子専用の保育園「あいびぃ保育園」の運営
2014年度も13年度同様、保育園支援を継続していく予定です。ただし2015年3月末までの時限付の保育園でしたので、来年4月以降も避難生活を続けたいと思っているお母さんには、1年をかけて、公立や認可の保育園へ移るためのサポートを行っていく予定です。
- (2)
- 津波、地震により全壊した保育園の再建後の運営支援
「つぼみ保育園」の保育士さんたちが震災前に勤めていた保育園が4月から再開することになりました。保育士さんもこれまでの2年間の実績を認めていただき、子どもたちともにそちらの保育園に移ります。そこでIVYでは残務の会計処理をサポートする予定です。
意気込み
長期の目標の1つ目は、今回の震災支援の経験やネットワークを世界の紛争や災害の現場で生かすこと。すでに昨年10月からIVYは初めてアジアの枠を超え、中東のイラクでシリア難民の支援を行っています。厳しい冬を超える難民の人たちに石油ストーブを配ったのですが、ユニクロさんからも冬物衣料約50箱分を届けていただきました。2つ目は次の国内の大災害に備えること。今回支援活動に関わった人たちの声を集めたり、教訓をまとめ、大災害が起こった際にはすぐ支援に駆けつけられるような体制を組んでおきたいと考えています。