復興応援プロジェクト 2013年活動報告

この2年半の活動を通じてPFJの支援先は、合計447社に広がりました。気仙沼市、陸前高田市、大船渡市、南三陸町を対象地域とした「三陸復興トモダチ基金」を始め、2012年9月からは、障がい者の雇用改善を目指したプログラムを、2012年11月からは、津波に加えて原発被害を受けた福島県南相馬市において「南相馬復興トモダチ基金」を、2013年2月からは宮古市、釜石市等を対象地域とした「陸中復興トモダチ基金」を通して、被災した小規模事業者や新規創業する起業家支援を展開しています。
ユニクロ復興応援プロジェクトを通した支援は「三陸復興トモダチ基金」の活動の中で次のように実施しています。

（1）

被災地域再生・新規事業創出助成
震災後、被災地のニーズに応える新たな事業の立ち上げを支援しています。これまでに、ユニクロ復興応援プロジェクトにより、服飾・雑貨のセレクトショップや高齢者デイケアサービス等5社のユニークな新規事業の立ち上げを支援しました。（1件最大150万円を支給）

（2）

被災事業者雇用サポート助成
震災により被災した小規模事業に対して、事業再開のために必要な従業員の雇用をサポートしています。これまでに、地元の老舗菓子店や生花店、水産加工会社、工務店、印刷会社等被災地の経済復興において重要な役割を担う7社（8名）の事業を支援してきました。（雇用した従業員1名に対して月10万円を12カ月供給）

（3）

復興支援融資利子補給プログラム
被災し、資金調達が困難な小規模事業者への金融アクセスを促進するため、気仙沼信用金庫と協働し、2年間の利子補給により支払い負担を軽減した融資を提供しています。これまでにユニクロ復興応援プロジェクトで52社に対して、総額約4億円の融資を提供しています。
また、資金面以外からも復興を後押しすべく、事業者支援セミナー・交流会を計4回開催し、総計200人以上の方が参加されました。

喜びの声・エピソード

ユニクロ復興応援プロジェクトにより支援を受けた事業者は、多様な業種にわたり、様々な形で被災した地域の喫緊のニーズに応えています。
例えば、新規創業した事業者のひとつは、高齢化が進み独り暮らしのお年寄りが多い気仙沼大島にて、高齢者福祉施設を立ち上げました。気仙沼大島は気仙沼からフェリーで25分、震災で甚大な被災をしており、島には高齢者福祉施設が他にほとんど無い中、同事業は被災したお年寄りに安心・安全で高品質な介護サービスを提供し、地域に必要不可欠な存在となっています。
また、震災前には被災地の外で働いていた若い世代が新規創業支援のプログラムを活用して、地元に戻って、ユニークな事業を立ち上げたケースもあります。例えば、東京のアパレル会社で勤務した経験を生かして服飾・雑貨店を陸前高田で起業された方や、被災地に明るい話題を提供したいとサンマの形をした、"鯛焼き"ならぬ"さんまやき"の移動販売事業を始めた方もいらっしゃいます。被災地の中長期的な復興のためには若手の力が必要とされる中、本プログラムは復興の立役者となる若者の支援にも繋がっています。

今後の活動について

（1）

3つのプログラムを通した支援
2014年度も継続的に上記3つのプログラムを通して、被災地の様々なニーズに応える新規事業の立ち上げや、被災した小規模事業者の復興支援を行います。

（2）

支援先事業者の継続的なフォローアップ
これまでに支援を行った事業者とのコミュニケーションを密にし、刻々と変わる被災地の状況や事業者のニーズを把握した上で、資金面以外からの支援も含めた継続的なフォローアップを行います。

意気込み

これまでの活動により、多くの事業者に対する支援を実施してきており、各事業者がそれぞれの事業を通して被災地の復興に貢献しています。しかし、本格的な事業展開に向けて課題を抱えている事業者も多く、継続的な支援が必要とされています。PFJでは、今後も各事業者のニーズを把握しつつ、資金面以外からの支援も組み合わせて、事業者の力強い復興を後押ししていきます。

その他

2014年2月に、三陸復興トモダチ基金の新規創業支援先のひとつである「KUMIKIプロジェクト」の主催により、被災した地域住民の方が集会場として活用する建物を地元の方々の手で建てるという建設イベントが開催されました。同イベントに株式会社ファーストリテイリング様から14名のボランティアにご参加頂きました。イベントは週末2日間で行われ、集会場の壁を木のブロックで組み上げていく作業を住民の方とボランティアの方が力を合わせて楽しく行いました。住民の方からは「ユニクロのボランティアが大勢来てくれて、とても励まされた」と感謝の声が寄せられました。