LifeWear
and the
Future

Vol.02

服と長く付き合うにはLifeWear for a Lifetime

LifeWearと私たちの未来を次の世代へとつなげていこう。
服を長く、愛着を持って着ることは、その大事な一歩目になる。

Chapter1

ワードローブの揃え方How to Select

まずは買うときの話から。ベーシックは人それぞれ。あなたが「長く付き合えそうだな」と感じるのはどんな服?

  • Bambou Roger-Kwongバンブー・ロジャー・クォン

    Stylist, Fashion Designer

    パリを拠点に、『THE PLANT magazine』や広告のスタイリング、アートディレクションを務める。自身の名を冠したブランドのデザイナーでもあり、フォーマルなテーラリングからパジャマまで、手ざわりがよく質の高い服づくりに定評あり。

    1. 道具のように実用的

    服は着るだけではなく、道具のように「使うもの」。そのため実用性のあるデザインを選びたい。特にアウターはポケットが大きければ大きいほうが便利。バッグを持つ手間も省けて、両手も自由に解放される。ワーク系のジャケットは長く使えて暮らしに役立つため、ワードローブにあるといい。

    2. 天然素材の風合い

    シルク、コットン、麻などの天然素材を使ったシャツは、長く着るほどに自分の肌に少しずつ馴染んでいく。デリケートな素材は手洗いを繰り返すことで、風合いが増し、長く大切に着たいという愛着を育む。しっとりと身体に添うようなシャツの落ち感は、上質な素材ならではの経年変化の味として楽しみたい。

    3. 安心感のあるシルエット

    ゆとりのある服は、身体を窮屈に縛らず、服に守られているような安心感がある。ずっと愛用しているのはUniqlo Uのワイドなパンツ。ユニフォームのように快適ではいていると気分も上がるし、心地よい。まるで古い友人のような存在。安らぎを感じるパンツは、汚れていたんでも手放せない。

  • Yataro Matsuura松浦弥太郎
    Essayist, Creative Director

    『暮しの手帖』編集長を経て、「正直、親切、笑顔」を信条とし、暮らしや仕事における、楽しさや豊かさ、学びについての執筆や活動を続ける。『大切に抱きしめたい お守りのことば』、『着るもののきほん 100』ほか、著書多数。

    1. シンプルで上質

    シャツ生地のトランクスやコットンリブソックス、ハンカチは見えないからこそ、シンプルで上質、肌さわりの良さ、伝統的な品にこだわりたい。どれも職人による手作り品は、使うほどに風合いが加わって愛着が増す。海島綿のハンカチは高級品だが、身につける工芸品だと思えばプライスレス。

    2. クラシックなデザイン

    何気なくそこに置いて美しいものを選ぶ。トラディショナルでクラシックなデザインこそが、結局、ベーシックなワードローブに残っていく。完成されたデザインを変えずに長年作り続けている精神に敬意を払いたい。

    3. 白という清潔感

    身だしなみの基本は清潔感。特にアンダーウェアやハンカチは白を選びたい。トランクスもソックスもハンカチも洗濯後は軽くアイロンをかける。手入れをすることで、白いアイテムがさらに美しく感じるよろこびがそれぞれを大切にする気持ちを高めてくれる。(文・松浦弥太郎)

Chapter2

愛着はどこからくるのかHow to Custom

自分の色を加え、自分で育てることで、特別なものに。

  • イニシャルの刺繍を入れてみる

    オーダーでもないのに名入れなんて、と敬遠してはもったいない。小さな頃、持ち物に名前を書いていたように、これから大切に着ようとする服に、イニシャルの刺繍を入れてみてはどうだろう。例えば、シャツの前身頃にさりげなく。自分らしさを足してみよう。

  • 刺し子でカスタムしてみる

    幾何学模様がデザインとしても秀逸な、日本の伝統刺繍、刺し子。本来、補修の手法ではあるが、よく手を突っ込むポケットの補強として、最初からカスタムしたっていい。自分だけの模様はアクセントになるし、長く着ることの決意表明にもなる。

  • リジッドデニムを買ってみる

    最初はゴワゴワするが、はくほどにフィットしていく。デニムは経年変化を楽しむのにとてもよい素材だ。洗う際は、型崩れを防ぐために、ボタンやファスナーを閉める。ロールアップしていたら伸ばしておく。一つひとつの積み重ねで、自分のジーンズになっていく。

※Uマークは「RE.UNIQLO STUDIO」にて対応可( 刺し子は一部店舗限定)。「RE.UNIQLO STUDIO」については、こちらから。

Chapter3

ケアはちょっとしたことだったりするHow to Care

日々気持ちよく、長く着るためのアイデアを。

  • ニットのハンギング

    普通に掛けると肩が伸びてしまう。コツは簡単。ニットを縦半分に折り、脇の下にハンガーを入れて、折り返す。置いて畳むひと手間はあるが、状態よく保つには必要なこと。ほつれや汚れにも気付けるかもしれない。

  • 毛玉をどうするか

    基本はつまみ上げて細いハサミなどで切る。1日着用したら2、3日休ませることで、毛玉自体ができるのを防ぐ。ただ、毛玉はニットの宿命。ウールやカシミヤは着るほどに風合いも出る。腰を据えて付き合ってはどうか。

  • ブラッシングの意味

    まずは、毛並みの乱れを整えること。これは毛玉防止にもつながる。続いて、埃や汚れを落とすこと。頻繁に洗濯できない秋冬の服ゆえ、重要な作業だ。コートもニットも。帰ってきたらブラッシングで服をいたわろう。

  • 裏返して洗ってみる

    肌に触れる場所が汚れやすい場所。靴下もインナーも裏返して洗うほうが合理的だ。また、これから出番の増えるフリース。ふわふわ感を保つためにも裏返し、かつ、毛がつぶれぬよう目の細かいネットに入れ、単体洗いを。

  • 陰干しと平干し

    秋冬の服には陰干しや平干しが推奨されているものが多い。専用ハンガーがない場合はバスタオルを活用。ニットなら、風通しのよい場所で上に広げ、ある程度乾いたら裏返す。仕上げは表面スレスレにスチームを当てて。

  • シワをとる

    ジャケットのような立体的に作られた服は、スチーマーの力を借りよう。厚みのあるハンガーにかけたら、肩まわり→袖→前身頃→襟→後ろ身頃の順に。肘付近は、丸めたタオルを袖口から入れておくと、手入れがしやすい。

  • ダウンが抜けたら

    飛び出たものが気になって、羽を抜いたものの、穴が広がったのか、同じところから次々と、という経験はないだろうか。応急処置としては、内側からつまんで引き戻すこと。それでも続くようなら、リペアを検討。

  • 衣替え、その前に

    久しぶりの服を出すとき。クリーニング後のビニール袋に入れたままだとしたら、乾燥のため陰干しを。あの袋は埃よけのためで、通気性も悪くなる。風に当てて気分よく秋冬を始めよう。同様にしまうときも、外してから。

Chapter4

リペアを気軽に頼ろうHow to Repair

摩耗は避けられない。でも直す方法はある。

    • 1.frayed
    • 2.button
    • 3.snatch
    • 4.hole
    • 5.tear
    • 6.hole
    • 7.frayed seems
    • 8.crotch hole

    ダメージは補修できる

    どんなに大切に扱い、気をつかって洗濯をしても、着るものである以上、ダメージは生じる。ニットの穴、ジーンズの破れ、シャツの襟の擦り切れ。どれも長く着た証で、むしろ誇っていいものだが、それが気になって着る機会が減っては損。発見したらすぐに直すことをすすめたい。シャツのボタンひとつ縫いつけるだけでも愛着が湧くから不思議なものだが、無理する必要はない。気軽にプロを頼ろう。目立たないよう近い色の糸で補修するもよし、ダウンジャケットの穴あきはパッチでふさいで、新たな表情を加えるもよし、だ。

Chapter5

手放して、次の誰かの定番にHow to Hand Over

捨てずにリユース、リサイクルへ

  • いざ手放すとなったならば。大事に着てきた愛着も含め、引き継ぎたい。日本には、近しい人に服を譲る「お下がり」の文化がある。身近な人に着てもらう、あるいは、より大きな規模&視点でリユース、その先のリサイクルを考えてみてはどうだろう。古着となり誰かの定番になるかもしれないし、服から姿を変えて、次代の役に立つ素材に生まれ変わるかもしれない。ユニクロ店舗でも商品を回収している。

※Uマークは「RE.UNIQLO STUDIO」にて対応可( 刺し子は一部店舗限定)。「RE.UNIQLO STUDIO」については、こちらから。

  • Illustrations by Yoshifumi Takeda
  • Coordination by Masaé Takanaka (Bambou)
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