LifeWear
and
the
Future

LifeWearと私たちの未来を次の世代へつなげていこう。
地球環境や社会のために今、ユニクロができること。

Topic 1

ユニクロ初、回収衣料の製品染め

衣料を再利用する「RE.UNIQLO」の新しい取り組みのひとつとして、ユニクロ史上初めてのプロジェクトがスタート。回収衣料を染め直し、価値を更新する試みだ。

Photography by Ooki Jingu

回収衣料が
生まれ変わるプロセス

ファッションに詳しい人なら、“製品染め”、別名“ガーメントダイ”という服作りのプロセスを聞いたことがあるかもしれない。簡単にいうと、まず色がついていない生地で衣服を作り、形ができてから染料で仕上げる製法のこと。これまでのユニクロ商品でも使われてきた製法だが、回収衣料、つまり古着に採用するのは、ユニクロ史上初のチャレンジとなる。

この試みは、ユニクロと関わりの深い老舗の化学素材メーカー・小松マテーレの技術で実現。高温での染色と同時に殺菌効果のある条件で加工を施し、古着独特の匂いを低減した。カラーはレッド、グリーン、ブルー、グレーの4色で、製品染めらしい自然な濃淡が特徴。ハリ感のある風合いや、1点1点違う発色にクラフツマンシップを感じさせる趣があり、「着てみたい」と思える新たな魅力のある服へと生まれ変わった。実際にトライアルとして販売した原宿店前でのポップアップでも、好評の声が届いている(こちらについての詳細はTopic 2へ)。今後への期待も含め、回収衣料の可能性が大きく広がったことは間違いない。

Photography by Ooki Jingu

1.2.3. 選別された回収衣料を釜へ入れ、染料(写真はグリーン)を投入して高温での染色を行う。染料を入れるタイミングは、職人の経験値で判断。仕上がりを左右する重要なプロセスだ。4. 染色後、脱水を経て乾燥にかける。布地が少し縮むことで、着用した時のシルエットに立体感が出るのも製品染めの特徴。縫製がしっかりしているユニクロ商品だからこそ、乾燥後もシルエットが崩れないのだという。

5.6. 元の生地の色がそれぞれに違うため、染め上がりの色みにも個性が出る。混紡の縫製糸には染料が入らないため意外なデザイン性が生まれることも。7. 染めの技術を中心に、世界中の最先端生地を手掛ける小松マテーレ。古くから、地元白山の雪解け地下水を活用した染色技術が受け継がれてきた地だ。

Topic 2

ユニクロ古着プロジェクト ポップアップストアレポート

「ユニクロが古着を販売!?」
回収衣料を活用した初の古着販売は、告知時に大きな話題になった。トライアル企画として、2023年10月にユニクロ 原宿店前の特設スペースでポップアップストアを開催。扱ったのは、上で紹介した染め加工のリメイク商品と、染め加工をせず、検品と洗浄を施した古着の2種類。2000年代のフリースや、今ではないタグデザインのフランネルシャツなど、ノスタルジーを感じるアイテムは思わず手にとって吟味したくなる。

リセール時の隠れたこだわりが、洗いのプロセス。特に使用感の出やすいニットは、最先端技術の3Dニット製造も手掛けるユニクロのニット専用工場・イノベーションファクトリーの特別プログラムで洗浄。糸の特性に合わせた緻密なクリーニングと乾燥プロセスで生活臭をリセットし、ふんわりやわらかな質感が復活した。「セカンドハンドには慣れていないが、この古着は匂いが気にならず、抵抗なく着られそう」と話すお客さまも。今回のポップアップストアの反響を受け、今後の展開も検討中だ。続報をお楽しみに。

1.2.3. 染め加工を施した商品は¥1,990〜¥3,990、染め加工なしの商品は¥1,000〜¥3,000で販売。Tシャツからアウター、カシミヤニットまで揃う。販売利益の一部は、渋谷区の子どもの健全育成事業推進へと寄付された。4. イメージビジュアルには、ダンサーのアオイヤマダさんが出演。ビビッドカラーを効かせたレイヤリングが新鮮。ご本人もポップアップストアでの買い物を楽しんでいたそう。

Topic 3

拡大するRE.UNIQLOの取り組み

「RE.UNIQLO」では、古着プロジェクト以前からさまざまなかたちで衣料のリサイクルやリユースの施策を行ってきた。ここでは、取り組みの最新状況をシェア。

「お気に入りのユニクロの服に、小さな穴やほつれが…」。そんなときは「RE.UNIQLO STUDIO」に相談を。愛着のある服を長く着る方法を一緒に考えてくれるはず。リペアはもちろん、好みに合わせたカスタマイズで新鮮な着こなしになる刺繍や刺し子加工のサービスも拡大中だ。パリ オペラ店(フランス・写真1)やコペンハーゲン ストロイエ店(デンマーク・写真2)のほか、「RE.UNIQLO」のあるお店は以下のリンクからチェックを。

サイズが合わなくなったり、クローゼットに眠るユニクロ商品は、店舗の「RE.UNIQLO回収ボックス」へ。ここから集まった服は多岐にわたって活用されるが、中でも画期的なのがダウン商品のリサイクル。東レとの共同開発技術で、回収された商品からダウンとフェザーだけを抽出し、洗浄後に再利用(写真3)。廃棄するよりもゴミを減らせる仕組みだ。次のシーズンでは、あなたのダウンから生まれ変わったアイテムがお店に並ぶかもしれない。

More info about RE.UNIQLO

Photography: Line Thit Klein

Recycled Hybrid Down Jacket (from 2023FW Season)

国境やジャンルを超えた活用の道

回収衣料の活用の道は、店舗の外にもつながっている。そのひとつが難民キャンプ等への衣料支援。UNHCRや世界各地のNPO・NGOと協力することによって、必要な数量とニーズに則した寄贈を行う。また、服としてリユースのできないものは、自動車のエンジン音を低減する防音材などに生まれ変わり、新たな役割を果たす。

Topic 4

ユースのアートTシャツが難民支援のチャリティに

さまざまな事情で故郷を追われ、難民・国内避難民として生活する人々がいる。現状への理解を深め、共に生きる社会をサポートするため、ユニクロとUNHCRが共同でユース難民アートコンテストを実施した。全世界の10〜30歳のユースを対象にオンラインで作品を募集し、約4,000作品が集まった。2023年6月にアメリカ・NYのユニクロ 5番街店、8月に日本・横浜のユニクロ PARK 横浜ベイサイド店でワークショップも開催。地域に暮らす難民と地元のユースが集まって、世界の現状を学ぶディスカッションとアート制作タイムが設けられた。
テーマは「#難民とともに 描く希望」。優秀作品はTシャツ化され、5,000点がUNHCRへ寄付される。また、一部ユニクロ店舗*で販売し、その売上の一部はUNHCRの難民支援活動に寄付される予定だ。故郷で暮らせる幸せが当たり前ではないこの時代だからこそ、未来への想いを描く若者に、大きな希望が集まっている。

*UTme! での販売

Photography by Mariko Tosa

Topic 5

省エネ・創エネに着目し、新機能を取り入れた店舗設計

環境に配慮しながら、店舗の魅力を広げるには?解決への糸口として2023年4月に誕生したのが前橋南インター店。従来のロードサイド店で使われている電力の約55%*の削減を目指す、新しい店舗設計の工夫とは。
自然採光のできる天窓❶や大きなガラスファサード❷を設けることで、照明用電力を削減。陽の光が差し込み、ゆったりと過ごせる店内に。そして回収衣料をリサイクルした断熱材❸とエアカーテンの使用で、空調電力を抑える。店内には、混み具合で変化するCO2濃度や店内温度を感知して、換気を最適化するセンサー❹も。さらに、屋上の太陽光パネル❺により、年間の使用電力の約3分の1をまかなえる想定だ。これらの相乗効果で、省エネと創エネにチャレンジする店舗が実現。お店での快適な時間と、環境のために、未来の店舗のあり方を追求していく第一歩となった。

*同じ群馬県内の「ユニクロ 富岡店」を同面積と想定した年間消費電力の比較。

SWIPE

Illustrations by Yoshifumi Takeda

開放感のある空間をデザイン。地元群馬県の企業とのコラボレーション商品も。

  • Text by UNIQLO
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本ページに記載の価格は、2月9日時点での消費税込みの価格です。
価格は変更になる可能性がございます。

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