Balance in Berlin

20世紀初頭にアートと技術の融合を目指して生まれた近代建築の学校「バウハウス」。
ベルリンにはその精神が今も宿る。自分らしさを問い今を愛する9組と、シンプルで機能的な服が奏でるハーモニー。

Tom Adam Vitolins

トム・アダム・ヴィトリンズ

Founder of Tom Àdam

ウェス・アンダーソンの映画から飛び出てきたかのような雰囲気のトムは、彼の母と祖母が手編みしたニットや、ストライプ柄のパジャマをファミリーで手掛けるブランド「Tom Àdam」のファウンダー。パジャマシャツは彼のブランドを象徴する人気アイテムで、色を使ったレイヤードはお得意。「クラシックなコートに合わせた緑のニットや、機能的なセットアップの中に着たストライプシャツは、着こなしの挿し色になる。配色も楽しい」

Esra Gülmen

エスラ・ギュルメン

Artist

黒か白か。普段からモノトーンのファッションを好むのはイスタンブール出身のアーティスト、エスラ。洋服のこだわりは彼女の表現にも表れている。「シンプルであることは私の作品に欠かせない要素なんですが、無駄がなく独創的なアートを見ると気持ちが明るくなりますよね。この洋服もそう。クリーンでシンプルであることは私のモノづくりの姿勢と似ていると思うの」。この日、彼女が選んだミニマムな着こなしは、背景に映る自身のアート作品と見事に調和している。

(L)
W's V Neck Cardigan ¥3,990 (Uniqlo U)
W's Rayon Blouse ¥2,990
W's Pleated Wide Straight Pants ¥4,990 (UNIQLO : C)

 
(R)
Light Weight Coat ¥9,990 (Uniqlo U)
AIRism Cotton Full Open Polo Shirt ¥2,990
Slim Fit Chino Pants ¥3,990

Ryoko Hori & Daniel Kula

リョウコ・ホリ & ダニエル・クラ

Co-founders, Ryoko Senses Salon, Perfumery

香水やフレグランス、またそれらを楽しむために世界各国から収集した現代作家の器などを集めた専門店を2015年にオープン。ジャンルにとらわれないセレクションはこの街の魅力ともつながる。「ベルリンは性別や国籍に関係なく、誰もが自分らしくいられる開放的な街」とアロマセラピストのリョウコ。以前はフィルムディレクターだったパートナーのダニエルは現在サロンのバイヤーなどを担当。彼らの休日は愛犬と一緒に公園を散歩するのがお決まり。シックなふたりは街角にも映える。

W's Trench Coat ¥12,900
W's V Neck Vest ¥2,990
W's Wide Straight Jeans ¥4,990
(UNIQLO : C)

Paula Breuer

パウラ・ブロイヤー

Visual Artist, Model

バウハウスの教育精神を受け継ぐヴァイセンゼー美術学校出身のパウラは、デュッセルドルフ出身。幼少期からアートやデザインに関心を抱き、大学では絵画を専攻。現在は絵だけでなく紙を使った動物のスカルプチャーを手掛け、繊細でメランコリックな世界観をもつ。窓越しに映るのは自身の創作場と作品。モデルでもある彼女はメンズライクなアイテムも好む。「トレンチコートは子どもの頃から馴染みがあって好き。ガーリーなアイテムと合わせて着ても、きっと面白いと思うの」

Windproof Hooded Coat ¥7,990
Sweatshirt ¥2,990
Miracle Air Relaxed Pants (Cotton Like) ¥3,990
Running Cap ¥1,990 (Uniqlo U)

Stefan Marx

ステファン・マルクス

Artist

ベルリンが誇る世界的なアーティストなのに、ステファンはとても穏やかで優しさに満ち溢れている。そのためベルリンの多くの若いクリエイターからリスペクトされるゴッドファーザー的存在。小さい頃からスケートやレコードカルチャーにのめり込み、自身のアートワークを確立した。「多種多様な人種が集まるベルリンではみなが自分のスタイルを楽しんでいる。僕は機能的なアイテムが好き。この大きいフードが付いたコートは、雨の日の街歩きにぴったりだね」

W's Miracle Air Jacket ¥6,990
W's Sheer Volume Blouse ¥3,990 (UNIQLO : C)
W's Belted Ankle Wide Pants ¥4,990 (UNIQLO : C)

Jessica McGowan

ジェシカ・マガウワン

Co-founder of PRIMARY PAPER, Art Director of Slowness

これからの写真のあり方を問うハイセンスなマガジン『PRIMARY PAPER』を、友人と一緒に創設し、アートディレクターを務めるジェシカ。彼女はNYに7年間暮らしたのち、5年前にベルリンに移住した。自宅には旅先で集めた世界各地の陶器や石、貝などが置かれ、穏やかでスローな時間が流れる。「今日着たニットはやわらかくて着心地がいいわ。緑のパンツは鮮やかなカラーが素敵ね」。花を愛する彼女は外でも街でも佇まいが美しい。

Nike van Dinther

ニケ・ヴァン・ディンター

Writer, Digital Creator, Editor, Media Consultant

ニケが友人と一緒に運営するベルリン発のライフスタイルウェブマガジン『THIS IS JANE WAYNE』。実は半年前にユニクロのヒートテックの品質の高さについて記事にするほど普段からLifeWearを愛用している。センスのある日常を切り取った彼女のSNSはファンが多く、ベルリンのスタイルアイコン的存在だ。「このパンツはハイウエストでも浅めにはいてもフィットすると思うの。毎日使える実用的なアイテムだから、小さい息子が2人いる私には心強いわ」

Miracle Air Shirt Jacket ¥5,990
Dry Pique Polo Shirt ¥2,990
Crew Neck T-Shirt ¥1,500 (Uniqlo U)
Pleated Wide Pants ¥4,990 (Uniqlo U)

Niels Weijer

ニールス・ヴェイヤー

Choreographer

バウハウスの建築理念が根づくハンザフィアテルにある集合住宅前にて。オランダ・アムステルダム出身のニールスは4歳からダンスを始め、12歳から18歳までバレエを習う。大学卒業後にプロダンサーに。現在はコンテンポラリーダンスとビジュアルアートを組み合わせた独自のスタイルを極める。「包まれるような着心地のシャツジャケットは、着ている感じがしないからとても驚いた」。普段から動きやすさを大切にする彼。快適な一着は身体感覚が研ぎ澄まされたダンサーも納得。

Manuel Goller & Christoph Goller

マヌエル・ゴラー & クリストフ・ゴラー

Founding Creative Director and CEO of NEW TENDENCY

ベルリンのポツダム通り周辺は現代アートとデザインが盛んなエリア。その中心にオフィスを構えるNew Tendency。カラフルなプロダクト「フロートシェルフ」を背景に、クリエイティブ・ディレクターの兄・マヌエル(左)とCEOの弟・クリストフ(右)が出迎えてくれた。「ユニクロはシンプルさと機能性、そして個人の表現を象徴する存在」とマヌエル。クリストフはシックなグレーを着用。シンプルでミニマムなスタイルを気に入った。

Functionality, Plain and Simple

シンプルで無駄をそぎ落とした機能美

今回の特集キーワードである“ライトネス”。その手がかりを知る術が実はベルリンにもあった。New Tendencyは世界的に注目される新進気鋭のデザインスタジオ。先鋭的な造形教育で世を驚かせたバウハウス様式に基づく、シンプルで機能的な家具やアクセサリーを国内でハンドメイドで製作。成り立ちはドイツ・ワイマールにあるバウハウス大学での仲間たちとの出会いから始まる。バウハウスからの強い影響が、今の躍進につながったとクリエイティブ・ディレクターのマヌエル。

「バウハウスを原点とするコラボレーションの精神こそが僕たちの原動力。それは異なる考えを融合させて、暮らしに新たな価値を生むということ」とマヌエル。1919年に革新的な学校としてバウハウスは誕生した。創立者である建築家のヴァルター・グロピウスはドイツ中部の小さな町・ワイマールで突出した思想家やデザイナー、アーティスト、職人たちと結びつくことで、その教育理念を世界へ広げることに成功した。New Tendencyも異なる才能が集まる、枠にとらわれない創造のインフラだ。

「僕たちはヨナス・リンドストローム、ミルコ・ボルシェ、マシュー・ウィリアムズなど、国内外のトップクラスのデザイナーや建築家、アーティストたちと交流しています。彼らとのコラボを通して、写真やグラフィックデザイン、デジタルアート、空間デザインなどこれまでにない表現が生まれます」

今季、LifeWearのカラーパレットの一部には、バウハウス建築からインスパイアした美しいグレーの色調やクリーンなエッセンスが凝縮されている。モダンデザインの源流であるバウハウス精神を継承する彼らだが、そのクリエイションに最も大事なテーマが「Lightness」だった。では、LifeWearとの共通点とは?

「無駄をそぎ落とすことで機能美が際立つ。シンプルなデザインだからこそ、人の個性に寄り添うことができる。ともに選ぶ人の生活を便利に、豊かにできる存在」とマヌエル。ユニクロの“ライトネス”を基調とした今季の色使いも共鳴する。

「私たちもライトグレーや白、サンドベージュなどの色使いを特徴としています。プロダクトと洋服、という違いはありますが使う人や着る人の見方によって、繊細にも力強くも感じられる。そうしたモノ作りの姿勢にとても共感します」

New Tendencyは彼らのプロダクトが一生の友となるようにデザインしている。LifeWearも時代を超えてさまざまな解釈が可能だが、長持ちする品質をそなえた洋服だ。“新しいスタンダード”を追い求める彼ら。その出会いから、ライトネスのひとつのカタチが見えた。

1. マシュー・ウィリアムズ率いる「1017 ALYX 9SM」と共同製作した限定版「メタサイドテーブル」。「1017 ALYX 9SM」のアイコンでもあるローラーコースターベルトを採用している。

2. 無駄のないミニマムなスタイルが特徴の「スタンダードソファー」。

  • Photography by Ina Niehoff
  • Styling by Shuhei Yoshida
  • Hair & Makeup by Sayuri Sakairi
  • Coordination by Yukiko Yamane
  • Film by Marcus Werner
  • Text by UNIQLO
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